嬉しそうにはにかんだ、何とも言えない愛らしい表情―。

昨夜の彼女はとても綺麗で、そんな彼女を目の前にして気持ちを抑え続けることはもう出来ず、気付けば自分の腕の中に閉じ込めていた。

温かくて柔らかい彼女を離したくないとばかりに抱きしめ、自分のものだというふうに唇を塞ぐと想いを伝えた。

そんな自分に驚いた顔を向けるメディカの黒い瞳に、光が射したように思ったのは気のせいだろうか。

しかし、冗談ですよね？とでも言うように

「・・・酔ってます？」

と眉を寄せ微笑む顔にムッとしてしまい、その言葉を否定すると再び彼女を抱きしめ、柔らかくて艶のある唇をまた塞いでいた。

最初は抵抗しようとしていた彼女の手が背中へと回され、自分を受け入れてくれたのだと確信すると、さらに深く彼女の唇を求めていた。

お互いに何度も唇を求め舌を絡ませていくうちに全身は熱くなり、気持ちは昂ぶった。

メディカを欲しいという気持ちはますます抑えきれなくなり、本能的に彼女の胸を揉みしだいた時、彼女の身体が大きく跳ねた反応で我に返った。

その時見た、メディカの驚いた表情に慌てたのは当然で、完全に狼狽してしまい、逃げる様に飛んで帰ったことは全くもって情けない話しだ・・・。

「あーーっ！何やってんだよ、俺っ！！」

と夜空に叫び

「・・・絶対に嫌われた・・・。」

そう肩を落としてふらふらと力なく家に帰ると、そのまま部屋へと直行しベッドに倒れ込んだ。

やっと想いを伝えたというのに、オスな自分を抑えきれず、せっかくの告白を台無しにしてしまったことが恨めしくて仕方がない。