『おはようございます。昨夜は、ありがとうございました。
トランクスさんの気持ち、嬉しかったです。』

とだけメールを送ると

『おはよう！きのうは急にごめん・・・。
次はいつ会えるかな？また、連絡するよ。』

そう返ってきたメールに頬を緩めた。

その日からたわいのないメールのやり取りが始まり、メディカは早くも春が訪れたような、浮かれた気分で新しい年を迎えたのだった。




新しい年を迎えると、メディカの外科研修医としてのハードな毎日が始まった。

花形とも言える「外科」とあって、その多忙さと求められる手腕、知識量は半端なものではない。

しかも、手先が不器用なメディカにとって、縫合や執刀の技術が求められる外科での研修は自信を喪失する毎日だった。

縫合の練習をする度に

「メディカ、あんた本当に不器用ねぇ。」

と、同じ研修医仲間から呆れた顔を向けられるのはほぼ毎日のことだ。

裁縫さえ上手く出来ないのに、生身の身体を縫うなんてレベルが高過ぎる・・・！

メディカはそう思いながら、勤務を終えた後も、縫合の練習に取り組むことになるのだった。

そんな毎日にあっても、何とか頑張って乗り切ることが出来ていたのは、トランクスと気持ちが通じ合えたと思えたからだった。

恋は上手くいきはじめた！

だから、仕事もきっと上手くいく！

そんなふうな前向きな気持ちで、毎日を過ごしていると

「メディカ先生、何かいいコトあったのかい？」

と、売店のおばちゃんにニヤリとした顔を向けられた。