ブルマが満面の笑みで「カワイイ。」と言ってくれたことで、気後れしていた気持ちも少し和らぎ、小さく微笑んでいると

「ブルマ会長、お久し振りです。いやぁ、今日も実にお綺麗ですな。」

と１人の紳士がブルマに声を掛けてきた。

どこか有名企業のトップだろうと思われる人物の登場に、ブルマの声のトーンが変わり

「あら、お久し振りですわね。今年もお越し頂いて光栄ですわ！」

と挨拶を交わすのを、メディカは空気を読むように「ブルマさん。それでは・・・。」と言うと「あ、えぇ。それじゃあ、また後でね。」と、微笑むブルマの顔を見てから、メディカはその場を離れたのだった。

会場の中をぐるりと回りながら、紳士淑女が集う円卓付近にはどうも近付き難く、入口付近のテラスへの出入り口となっている窓近くから、華やかなパーティー会場を眺めた。

華やかなドレスに身を包んだ女性たちに、話しに花を咲かせるタキシード姿の紳士たち。

そんな現実離れした、おとぎ話しの様な世界に自分がいることに戸惑っていると、次第に場内が静まり始め

「ただいまより、カプセルコーポレーション謝恩パーティーを始めます。どうぞ皆様、今夜はごゆっくりお楽しみ下さい。」

と言う、司会者の声が会場内に響いた。

司会者の短い自己紹介が終わると

「さて、それでは本日のパーティーの主催者であります、カプセルコーポレーション、トランクス社長から挨拶を頂きたいと思います。では、社長よろしくお願いします。」

とトランクスが紹介され、壇上に上がるその姿を見たメディカの胸はドキリと高鳴った。