クリスタルのシャンデリアが吊り下げられた高い天井。

大広間には白地のテーブルクロスが掛かった円卓が置かれ、その周りにはニュースや雑誌などで一度は見たことがある、財界のトップや著名人が、そこかしこで雑談している。

場違いだなぁ・・・。

そう思いながら、メディカは西の都の最高級ホテルの大広間で、密かに溜息を吐いた。

ブルマから「社のパーティに是非来て欲しいの！」とお願いされ、ある程度の覚悟はして来たものの、まさかこれ程までとは思ってもみなかった。

これだけの人物が集まるパーティを催すことが出来るのは、さすが世界トップ企業のカプセルコーポレーションと言ったところか・・・。

大広間の片隅でそんなことを思い、招待客の顔ぶれを眺めていると

「メディカちゃん！来てくれたのね。」

と、ブルマが手を振りながら前方から歩いて来た。

この会場で唯一知っているだろう人物の登場に「ブルマさん・・・！」とメディカは安堵の表情を見せると、その距離を縮めた。

「うーん！やっぱり似合ってるわ。ヘアースタイルもばっちりじゃない！すごくカワイイわよ！」

ブルマはメディカを上から下まで満足そうに眺めながらそう言うと

「ふふっ！今すぐにでも、トランクスに見せてやりたいわね！」とニヤリと口角を上げるのを、メディカはドキリとしながら聞いていた。

「忘れよう。」そう思いながらも、トランクスに逢えると思うと胸が弾み、折角のドレスが台無しにならないようにと、ヘアーサロンで髪をセットし、メイクもいつも以上に丁寧に仕上げた。