澄まし顔で麺を啜るホスピの隣りで、メディカは顔を引攣らせつつ、そのまま食事を進めていると

「彼、この間ここに来てたよね？それで分かっちゃった。」

そう言って、目を細めるホスピに

「・・・まさか。そんなわけないじゃないですか。」

と努めて冷静に否定すると「そうなの？」と、キョトンとした顔を向けられた。

その顔に脱力し「当たり前です。」と、溜息交じりに言うと

「何だ、違うの。面白くないなぁ。」

と、ホスピは口へと運んだチャーシューを飲み込んでから、つまらなそうにそう言うと

「じゃあ、彼がメディカ君のことを好きなんだねぇ。」

と、続けた。

先輩医師の、突然の思わぬ発言に、メディカが「はっ？！」と顔を顰めホスピを見ると

「だって、彼は君に会いに来たんでしょ？」

と、サラリと答える顔に

「もう・・・。違います！」

メディカは顔を顰めたまま料理へと向き直ると、次には呆れた様に息を吐いた。

そんな歳若い研修医を横目で見ながら

「そうかなぁ・・・。」と呟き、麺を啜るホスピに

「有り得ませんから。」

と、言い切ると

「だって、彼・・・ブラ君が退院してからも時々ここに来てるから。」

麺を箸で持ち上げながら言ったその言葉に、メディカは「え・・・？」と小さく声を発し、そのままズズッと麺を啜り、ゴクリとのみこむホスピの様子をじっと見つめたのだった。

「何も付けてないみたいに見えるんだけど、空から屋上に下りて来るんだよ。あれは、まだ発売されてない新商品なのかなー。」