カルテ86
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
少し戻ったところにあったその屋台は、全国にチェーン展開しているコーヒーショップがこのイベントの為に出店しているものであった。
人気店であることと、陽が落ちて冷えてきたこともあり、店の前には行列が出来ている。
メディカは列の最後尾に並ぶと、ふっと小さく息を吐き、表情を曇らせた。
楽しみにしていた筈のデートが今、想像していたものとは離れたものになっていることに、気持ちは完全に落ち込んでいた。
だが、その原因を作ったのは他ならぬ自分で、落ち込む気持ちを何とか払拭しようと明るく振舞うも、トランクスに微笑みかけられる度に気を遣わせてるんじゃないかと不安になり、心はなかなか晴れそうになかった。
あの時、あのアクセサリーを売る屋台の前で立ち止まってしまった自分を責めるも、過ぎてしまったことはどうにもならず、メディカはまた小さな溜息を吐くのだった。
陽が落ち、照明で照らされた大通りを見れば、一層活気づき賑わいを見せている。
友達同士で来ているのだろう、屋台で買ったリンゴ飴やたこ焼きを手に笑い合う少女たち、子供を肩車して歩く家族の姿、そして幸せそうに手を繋ぐカップルが横を通り過ぎて行く。
自分とトランクスも、手を繋いでいる姿は傍から見ればカップルの様に見えているのだろうか・・・。
そう思うも、繋がれた手はただ、離れない様にする為だけに繋がれているものなのだと思うと、胸がギュッと痛くなった。
(私って、どういう存在なんだろ・・・。)
ふと思っては、これまですぐに打ち消していた言葉が、いま呪いの様にメディカの心を侵し始めていた。
人気店であることと、陽が落ちて冷えてきたこともあり、店の前には行列が出来ている。
メディカは列の最後尾に並ぶと、ふっと小さく息を吐き、表情を曇らせた。
楽しみにしていた筈のデートが今、想像していたものとは離れたものになっていることに、気持ちは完全に落ち込んでいた。
だが、その原因を作ったのは他ならぬ自分で、落ち込む気持ちを何とか払拭しようと明るく振舞うも、トランクスに微笑みかけられる度に気を遣わせてるんじゃないかと不安になり、心はなかなか晴れそうになかった。
あの時、あのアクセサリーを売る屋台の前で立ち止まってしまった自分を責めるも、過ぎてしまったことはどうにもならず、メディカはまた小さな溜息を吐くのだった。
陽が落ち、照明で照らされた大通りを見れば、一層活気づき賑わいを見せている。
友達同士で来ているのだろう、屋台で買ったリンゴ飴やたこ焼きを手に笑い合う少女たち、子供を肩車して歩く家族の姿、そして幸せそうに手を繋ぐカップルが横を通り過ぎて行く。
自分とトランクスも、手を繋いでいる姿は傍から見ればカップルの様に見えているのだろうか・・・。
そう思うも、繋がれた手はただ、離れない様にする為だけに繋がれているものなのだと思うと、胸がギュッと痛くなった。
(私って、どういう存在なんだろ・・・。)
ふと思っては、これまですぐに打ち消していた言葉が、いま呪いの様にメディカの心を侵し始めていた。