手を繋ぎ、２人は屋台の並ぶ通りを歩いていた。

途中「アレ、食べましょうか。」「あ、あのピザ美味しそう！分けて食べませんか？」など言いながら、この町で獲れた魚介がふんだんに使われたシーフードピザや焼きそば、串焼きなどを買ってはお腹を満たした。

そして、屋台が並ぶ通りに、夜の訪れを告げる照明に明かりが灯ったのは、街路樹の傍でメディカとトランクスがデザートにと買ったクレープを食べている時だった。

「花火の時間まで、もうすぐですね。」

トランクスが左手首の時計に目を遣ると

「花火を見るの久しぶりなので、ホントに楽しみです。」

と、メディカは陽が沈み、暗くなり始めた空を見上げた。

優しい瞳で、暗くなる空を見上げるメディカの隣りでは、よからぬ想像が頭の中をよぎり始めているトランクスの心拍数が、少しずつ上がり始めていた。

緩く無造作にまとめられた髪に、そこから覗く白いうなじ。ぽってりとしたピンクの唇に、ボディラインを隠す緩いパンツスタイルのコーディネート。

そんな彼女の姿に想像を掻き立てられ、トランクスはそわそわと口の中にまったりと甘く広がるクレープを食べ進めながら（そーいう雰囲気にもっていけるのか、俺・・・！？）と、母からもらったモノを思い浮かべ自問していた。

そんな下心を抱き、密かに頬を染めていると

「コーヒー買って来ますね！」

と言う、クレープを食べ終えたメディカの声に反応が僅かに遅れ

「え？！あ、はい・・・！」

と答えた時には、メディカは通りの向こうにあるコーヒー店へと向かっていた。