エアカーをカプセルに戻すと、２人はたくさんの人で賑わう屋台群の中を進み始めた。

夏にブラの退院パーティで屋台を楽しんだことを思い出しながら、メディカはあの時よりも多くの人で賑わい活気のある屋台通りに胸をウキウキと弾ませた。

屋台や露店を見ると、たこ焼きにリンゴ飴、フランクフルトにヨーヨー釣り。射的にくじ引きなど定番の店の他にも、古着や手作りアクセサリーにハンドメイド品、家具や町の特産物である海産物を調理、販売している店などが並んでいる。

町のメインストリートとなっている通りの両端に、ずらっと屋台が並ぶ様は今まで見たことのない光景で、メディカの顔はパァっと明るくなっていった。そして、そんなメディカの隣りでは

「スゴイですね・・・！」

と、記事では読んでいたが、実際活気ある屋台群を目にしたトランクスが、都の雑踏とは違う雰囲気に足を進めるごとに圧倒されていた。

３００はあるという店は、マルシェの様なお洒落な雰囲気の店もあれば、ビニールシートの上に商品を並べただけの店、出店しているのも老若男女問わずで全く統一感のないところが、おもちゃ箱の様で何とも面白い。

「これは楽しいですね！」

そう言って隣りを見れば、メディカも満足そうに「はい！」と笑顔で答えてくれ、トランクスが心の中で（よしっ！）とガッツポーズをしたのは言うまでもない。

「あ、あれ可愛い！」「アレ美味しそうじゃないですか？」「見て下さい、ペットまで売ってますよ！」と、いつもよりテンション高めの彼女に、表情も勝手に緩んでいく。