そう微笑むと

「それじゃあ、行きましょうか！」

と続け、２人は公園を出ると、カプセルから現れた青いエアカーに乗り込んだのだった。




西の都の郊外まで走ると、そこからは遠くに見える山々や自然が広がるだけの見通しの良い道となっている。

トランクスはそんな何もない道の先にある、花火大会が開催される海辺の町へとエアカーを走らせていた。

町興しとして昨年から始まったらしいその花火大会の開催を知ったのは、毎月社に郵送されて来る西エリアの情報をまとめたフリーペーパーでだった。

カプセルコーポレーションもスポンサーとして加わっていることもあり、月に一度郵送されて来るその冊子をいつもは何気なく目を通していただけだったのだが「夜空を彩る１万発の花火」という見出しの記事にトランクスが食い付いたのは当然で、フリーペーパーという存在を初めて「侮れない・・・！」と思った瞬間だった。

「季節外れの花火なんてどうですか？」と言っておきながら、テーマパークの夜のパレードの花火じゃ味気なさ過ぎる。
出来れば夏に開催される花火大会の様な迫力のあるものをメディカと観たい！

そう思っていたトランクスにとって、今日開催される花火大会はまさに思っていた通りのもので、フリーペーパーには短時間に大量の玉を打ち上げるスターマインと言われる花火がメインとなっていると書かれていた。

それに、このイベントは花火だけでなく屋台にも力を入れており、町の名産品販売やグルメを楽しみに訪れる見物客も多い様で、今年の人出は昨年の開催よりも更に上回るだろうとも書かれていた。