自宅マンション近くのいつもの公園。球体のオブジェの前でメディカはトランクスを待っていた。

小春日和と言うにふさわしい暖かい日差しで満たされた公園には、休日とあって子供を連れた家族の姿が目立ち始めている。

今も目の前を通り過ぎて行く家族を見つめてから、メディカは空から降りて来るかもしれない大好きな人を待ち焦がれ、白い雲がたなびく空を見上げた。

約束をした日曜日から今日の日が待ち遠しくて仕方なく、今朝はいつもより早く目が覚めるとそわそわして落ち着かず、１５分程早く待ち合わせ場所に着いてしまった。

（早く逢いたいな・・・。）

そう思い１人微笑んでいると

「メディカさん！」

という声が後ろから聞こえ、驚いて思わずビクンと肩を上げてしまった。

「！トランクスさん！」

まさか後ろから来るとは思わず、動揺していると

「あ、すみません・・・！驚かせてしまいましたか？」

と、眉を寄せ笑う顔に

「い、いえ！私が勝手に飛んで来られると思っていたので・・・。」

そう答えると

「あ、いや。飛んでは来たんですけど、今日は結構人通りが多かったので、少し離れた場所に下りたんですよ。」

と、トランクスはオブジェの前を通り過ぎて行く家族連れに目を向けた。

その家族の姿に、自分と目の前の彼女を重ねてしまうのは時期尚早だろうか。トランクスがそんなことを思っていると

「今日は晴れてよかったですね。一昨日まで、お天気良くなかったですから。」

そう微笑むメディカに

「ええ！この天気なら花火も綺麗に見れそうですね！」