家に帰るなり、メディカは小さく深呼吸してから携帯電話を耳に当てた。

プルルルルル・・・

というコール音に緊張を煽られ、電話を持つ手にキュッと力が入る。

（・・・出てくれるかな。）

そう思いながら４、５回コール音がしたところで

『もしもし！』

というトランクスの声が聞こえ思わず身体をピクリと反応せてしまった。

「あ・・・トランクスさん・・・。こんばんは。あの、今大丈夫ですか？」

そう言うと、コホンと咳払が聞こえ

『あぁ、すまない。少し待っててもらえるかな。』

いつもとは違う調子の声がしたかと思うと、少ししてから

『すみません！お待たせしました。』

と、いつも通りのトランクスの声が聞こえてきた。

そんな彼の様子に

「あの、大丈夫ですか？またあとで掛け直しますけど・・・。」

と言うと

『ああ、大丈夫ですよ。抜け出したかったので、いい口実になって助かります。』

愉快そうに言うその声は

『電話掛けてもらって、すみません。あの・・・今、家ですか？』

と続いた。

「はい。今帰ってきたところです。」

少し緊張もほぐれ、表情を緩め答えると

『そうですか。お仕事お疲れ様でした。』

そう言って、耳元で労う言葉を掛けられ、更に表情を緩ませた。

電話で顔が見えないのを幸いとばかりに、メディカが１人ニマニマしていると

『あ、あの。週末のことなんですけど・・・。』

トランクスが電話の本題を持ち出した。

「あ、行きたい場所決まりましたか？」

そう尋ねると

『ええ、ありました。と言うか、見つけました！』

と、答える声に