その様子を見つめていたメディカは、優しく少女と接する今まで見たことのないトランクスの姿に胸の辺りがじんわりと温かくなっていた。

少し置いてけぼりになっている感は否めないものの、知らなかった彼の一面を見れたことを嬉しく思っていると、屈んでいた体を起こしたトランクスは

「と、いうわけなので、ルルは俺が預かりますね。」

ルルと名付けられた猫型ロボットを抱え直し、そう微笑んだのだった。

そんなトランクスに

「で、でも！トランクスさん、お忙しいのに・・・！」

と、慌てると

「多分簡単な手術で済みますから大丈夫ですよ。仕事の息抜きに丁度いいですし。」

にこりと笑うその顔に「でも！」と続け様とすると

「あっ！そろそろ行きますね！エアカーを待たせてるので・・・！！」

慌てる様にルルを抱え踵を返したトランクスだが、部屋から出る前に立ち止まると

「じゃあ、また明日来るよ。」

そう言って少女を振り返り、次にはメディカへと視線を向けてから、図書室を出て行ったのだった。

〝シュッ〝と締まるドアの向こう側を見つめていると

「メディカ先生？」

そう呼ばれハッとし、車椅子の少女に視線を落とした。

「ルル、元気になるかな？」

少し心配そうに尋ねるその顔に

「大丈夫！あのお兄さんはすっごく良いお医者さんなの。きっとルルは元気になって帰って来るわ！」

メディカが笑顔で答えると、その言葉に安心した様に少女は笑みを顔いっぱいに広げ

「うん！」

と、トランクスが去ったドアを見つめるのだった。