反論など出来る筈もなく、ピリッとした緊張が漂い始めたところで、その雰囲気を壊したのは

「もう、パパったらお兄ちゃんに厳しいんだから！平和が続いてるんだから、お兄ちゃんは強くならなくていいの。もし、何か起きたら、また悟天さんと修行して強くなるわよ。」

と言う、のんびりしたブラの発言だった。

そんな娘の発言に

「何か起きてからじゃ遅いんだぞ。」

ベジータはブラへ視線を向けるも

「大丈夫よ！だってパパがいるじゃない。パパがいればお兄ちゃんが戦う必要なんてないもの。」

そう言って笑顔を向けるブラに、さすがのベジータも言葉に詰まると、僅かに口角を上げ

「フン。それもそうだな。」

と、肉の塊を口へと運ぶのだった。

父親を見事に手玉に転がしている少女に呆気に取られ、そのあまりにも上手い扱いに笑いを堪えつつ、メディカは食事を進めながら、ベジータとブラの父娘の関係に１人心和ませていると

「もう・・・！ホントにサイヤ人は・・・。」

呆れた様に言ってから

「メディカちゃん、ゴメンね。休みの日にまで、怪我人の世話させちゃって。でも、今日は手当てのし甲斐があったでしょう。時間かかってたみたいだし。」

と続いたブルマの声に「えっ！？あ、はい・・・。」と、メディカは動揺を隠して返事を返したのだが、そんな一瞬の動揺をブルマは見逃さなかった。

リビングに戻って来てから、言葉を交わすでもなく、妙にお互いを避けているような２人の様子に何かあったとしか思えず、ブルマは頬が緩みそうになるのを必死で堪えながら、温かいスープを啜るのだった。