トランクスの体にはいくつもの打撲の様な痕があったが、特に腹部に幾度もそこを狙われただろう深い痕が残っており、メディカは救急箱に入っていた冷却剤が含まれた包帯を手に取ると

「かなり酷いですね・・・。」

と顔を歪め、早速傷の手当に取り掛かった。

ついさっきまでは彼の体を見ることも、触れることさえも躊躇していたメディカだったが、この傷を見てはそんなことなど思っておられず、特に酷い腹部から、右肩、左腕そして両足に包帯を巻いていくと

「手際がよくなりましたね。」

と、小さく笑う声が聞こえた。

「はい。皆さんのご協力のおかげです。」

そう微笑み、不器用からくる不手際な処置の練習を、ブルマたちに協力してもらって練習した夏のことを思い出した。

特に、ほぼ毎日トレーニングで負傷していたベジータには、顔を合わせれば練習も兼ねて手当をしていたことを思い出す。

「先週の悟空さんとの組み手に比べると、ベジータさんとの組み手はやっぱり怪我の程度が違いますね。」

最後の左膝に、包帯を巻きながらそう言うと

「いつもはここまで、酷くないんですけど・・・。今日は特別です。」

あはは。と笑う顔に

「ベジータさんは厳しいって、悟天君から聞いてたんですけど。こういう事だったんですね。」

そう苦笑いで返すと

「ええ。父さんは戦うことに全てを懸けてる人ですから。それに、特に悟空さんは最大のライバルですからね。そんな悟空さんと、悟空さんの息子である悟天に俺が負けたことが許せないんですよ。」

トランクスは困った様な笑みを浮かべた。