駅の中を通り抜けると、リゾート感はより強くなった。

　目の前は開け、青い海まで真っ直ぐに伸びる道路の脇には、等間隔にヤシの木が並び、駅と同じ白壁にオレンジ屋根の建物がそこかしこに建っている。

「こちら側は雰囲気が違いますね！　それに、人の数も違う」

　ここに来るまで、車とは擦れ違ったが、人の姿はほとんど見掛けなかった。

　駅を隔てただけで、別世界のようだと感心していると

「桟橋の方に行くと、人の数増えると思うんで、気を付けてくださいね」

　真琴さんに釘を刺すように言われ、頭に疑問符が浮かんだ。

　首を傾げつつ「え、ええ」と分かったふりをしたが、その意味が分かったのは、目的の桟橋に差し掛かった頃だった。
　


　……視線を感じる。
　
　右手に海が広がる、更にリゾート感を増した道を歩いていると、そんな感覚に襲われギクリとした。

　そう言えば、先日。菜奈さんたちと行ったショッピングセンターでも、こんなふうに視線を向けられたことを思い出す。

　まさか、俺たちがこの地球の人間じゃないことがバレているんだろうか……？！

　通りを歩く人たちからの視線と、俺たちを見た途端にひそひそと話す姿に、途端に居心地が悪くなり

　これはマズイのでは……。

　一人頭を抱えていると

「あー。やっぱり……」

　真琴さんがうんざりしたように、溜息を吐いた。

「……やっぱり？」

　視線を向けらていることに心当たりがあるらしい、真琴さんに尋ねると、真琴さんは俺と父さんを交互に見てから