ホリデー②
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スマホは常にマナーモード。
だから、梨子からのLINEに気付いたのは、家を出る時だった。
「……は? 桟橋?」
LINEの文面を読んだ私の顔はきっと、眉間に皺が寄った、不機嫌な顔になっていただろう。
私たちが住む、海が近いこの町は、関東では有数の観光地だ。
未だ残暑厳しい十月の週末。
さすがに、海水浴客はいないと言えど、海を求めてやって来る観光客の数は少なくない。
しかも、行こうとしている桟橋は、観光スポットになっていて、人が集まって来る場所だ。
私としては、あんな場所に行きたくないのが正直なところで
「ますます行く気が失せてきた……」
本音が口から漏れていた。
せっかくの週末。
剣道部の練習が休みだったので、今日は久しぶりに道場に行って、柴先生に稽古をつけてもらおう!
そう思っていた。
が。梨子に「あの親子と話したい!」と言われ、私は仕方なく予定を変更し、いま、こうして梨子の家へ向かおうとしている。
そもそも、予定を取り止め、気乗りしてないところに、更に面倒な場所に行くことになり、私はこのまま回れ右をして、家に入りたくなった。
話すだけなら、どこでもいいだろ。
そう思ってたのに……。
「おばさんも余計なこと言ってくれたわ……」
何の悪気もなく。むしろ、客を喜ばせようと、桟橋からの富士見を提案した梨子の母親。
まさか、その提案を私が恨めしく思うなんて、思ってもないだろう。
「ハァ……」
私は重い溜息を吐き、龍泉寺へ向かって歩きだした。
だから、梨子からのLINEに気付いたのは、家を出る時だった。
「……は? 桟橋?」
LINEの文面を読んだ私の顔はきっと、眉間に皺が寄った、不機嫌な顔になっていただろう。
私たちが住む、海が近いこの町は、関東では有数の観光地だ。
未だ残暑厳しい十月の週末。
さすがに、海水浴客はいないと言えど、海を求めてやって来る観光客の数は少なくない。
しかも、行こうとしている桟橋は、観光スポットになっていて、人が集まって来る場所だ。
私としては、あんな場所に行きたくないのが正直なところで
「ますます行く気が失せてきた……」
本音が口から漏れていた。
せっかくの週末。
剣道部の練習が休みだったので、今日は久しぶりに道場に行って、柴先生に稽古をつけてもらおう!
そう思っていた。
が。梨子に「あの親子と話したい!」と言われ、私は仕方なく予定を変更し、いま、こうして梨子の家へ向かおうとしている。
そもそも、予定を取り止め、気乗りしてないところに、更に面倒な場所に行くことになり、私はこのまま回れ右をして、家に入りたくなった。
話すだけなら、どこでもいいだろ。
そう思ってたのに……。
「おばさんも余計なこと言ってくれたわ……」
何の悪気もなく。むしろ、客を喜ばせようと、桟橋からの富士見を提案した梨子の母親。
まさか、その提案を私が恨めしく思うなんて、思ってもないだろう。
「ハァ……」
私は重い溜息を吐き、龍泉寺へ向かって歩きだした。