アナログ②
夢小説設定
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すると
「今日も本堂とやらに行っていたのか」
後ろから淡々とした声が尋ねてきて、俺は足を止め、振り返ってから「はい」と答えた。
目を閉じたまま「そうか」と呟く父さんの顔を、数秒見つめ
「よかったら、明日、父さんも行ってみませんか」
何となく、そう言って欲しいんじゃないか。
そんな感じがして、俺は父さんを誘っていた。
「……」
だけど、返事は返ってこず
……はは。気のせいか。
心の中で苦笑いし、部屋を出て襖を閉めようと、引手に手をかけた。
それとほぼ同時
「どんな場所か見に行くだけだ。掃除はせんからな」
時間差で返事が返ってきた。
目は閉じたままで、表情の方は少しも変わらないが、声の方には若干のハリがあり、何となく感じた勘は、気のせいじゃなかったんだと思うと、自然と口角が上がった。
「分かりました。では、明日一緒に行きましょう」
俺は、素直になれない父さんを愛おしく思いながら、襖を静かに閉め、ダイニングへと戻った。
ダイニングに戻ると、智子さんが気を利かせてくれたのか、習慣なのか。
リビングのテレビがついていた。
キッチンからは、ハムかソーセージを焼いているようで、ジュウ……という焼く音と一緒に、食欲をそそる香りが流れてくる。
朝食を作ってもらっている間、自分だけテレビを見てくつろいでいるのも気が引け
「何か手伝えることはありますか?」
キッチンに顔を覗かせたが
「ああ、大丈夫ですから。座ってテレビでも見てて下さい」
智子さんに笑顔で断られ、俺は仕方なく、テレビの前のソファに腰かけた。
「今日も本堂とやらに行っていたのか」
後ろから淡々とした声が尋ねてきて、俺は足を止め、振り返ってから「はい」と答えた。
目を閉じたまま「そうか」と呟く父さんの顔を、数秒見つめ
「よかったら、明日、父さんも行ってみませんか」
何となく、そう言って欲しいんじゃないか。
そんな感じがして、俺は父さんを誘っていた。
「……」
だけど、返事は返ってこず
……はは。気のせいか。
心の中で苦笑いし、部屋を出て襖を閉めようと、引手に手をかけた。
それとほぼ同時
「どんな場所か見に行くだけだ。掃除はせんからな」
時間差で返事が返ってきた。
目は閉じたままで、表情の方は少しも変わらないが、声の方には若干のハリがあり、何となく感じた勘は、気のせいじゃなかったんだと思うと、自然と口角が上がった。
「分かりました。では、明日一緒に行きましょう」
俺は、素直になれない父さんを愛おしく思いながら、襖を静かに閉め、ダイニングへと戻った。
ダイニングに戻ると、智子さんが気を利かせてくれたのか、習慣なのか。
リビングのテレビがついていた。
キッチンからは、ハムかソーセージを焼いているようで、ジュウ……という焼く音と一緒に、食欲をそそる香りが流れてくる。
朝食を作ってもらっている間、自分だけテレビを見てくつろいでいるのも気が引け
「何か手伝えることはありますか?」
キッチンに顔を覗かせたが
「ああ、大丈夫ですから。座ってテレビでも見てて下さい」
智子さんに笑顔で断られ、俺は仕方なく、テレビの前のソファに腰かけた。