アナログ②
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「じゃあ、トランクス君には拭き掃除をお願いしようか。孝明は外の掃き掃除を頼むよ」
第六宇宙の「地球」に来て四日。
朝行われる『龍泉寺』の本堂の掃除が、俺の日課になり始めていた。
早朝の爽やかな空気を吸い込みながら、竹箒で石畳を掃き、雑巾で黄みがかった畳を拭いていく。
場所が寺院の本堂という、神聖な場所ということもあるんだろう。
掃除ひとつで、こんなに心が、清々しさと達成感で満たされるとは思わなかった。
礼堯さんが、掃除は精神を鍛える「修行」の一つ。そう言っていたことにも頷ける。
それに、思い返せば、これまで散々修業はしてきたが、自分には修行の方は足りてないような気がした。
足りなかったものを学ぶいい機会だな――。
俺はそんな真摯な気持ちで、掃除に取り組むようになっていた。
それに、この本堂を掃除したいと思う理由は、修行以外にもあった。
この古い木造建築に、興味を持ったからだ。
父さんは「古臭い建物」と言って関心はないようだが、俺にはとても貴重で趣のある建物に思えた。
そもそも、俺たちの住む地球には、これほど古い木造建築はほぼない。
だが、調べたところ、この「日本」には、千年近くも前に建てられた木造建築が、いくつもあるようだ。
ただ『龍泉寺』の本堂は百五十年前に建て替えられたものだそうだが、それでも、俺からすれば十分珍しい建物だった。
本堂の天井に柱、梁と呼ばれる柱を固定する建築部材。全てに至るまで、時の流れが凝縮されたかのようにツヤを帯び、線香の香りまでも染み込んでいるように思える。
第六宇宙の「地球」に来て四日。
朝行われる『龍泉寺』の本堂の掃除が、俺の日課になり始めていた。
早朝の爽やかな空気を吸い込みながら、竹箒で石畳を掃き、雑巾で黄みがかった畳を拭いていく。
場所が寺院の本堂という、神聖な場所ということもあるんだろう。
掃除ひとつで、こんなに心が、清々しさと達成感で満たされるとは思わなかった。
礼堯さんが、掃除は精神を鍛える「修行」の一つ。そう言っていたことにも頷ける。
それに、思い返せば、これまで散々修業はしてきたが、自分には修行の方は足りてないような気がした。
足りなかったものを学ぶいい機会だな――。
俺はそんな真摯な気持ちで、掃除に取り組むようになっていた。
それに、この本堂を掃除したいと思う理由は、修行以外にもあった。
この古い木造建築に、興味を持ったからだ。
父さんは「古臭い建物」と言って関心はないようだが、俺にはとても貴重で趣のある建物に思えた。
そもそも、俺たちの住む地球には、これほど古い木造建築はほぼない。
だが、調べたところ、この「日本」には、千年近くも前に建てられた木造建築が、いくつもあるようだ。
ただ『龍泉寺』の本堂は百五十年前に建て替えられたものだそうだが、それでも、俺からすれば十分珍しい建物だった。
本堂の天井に柱、梁と呼ばれる柱を固定する建築部材。全てに至るまで、時の流れが凝縮されたかのようにツヤを帯び、線香の香りまでも染み込んでいるように思える。