一度滅びたことが理由だろう。

　この「地球」はとにかく、科学力が劣っている。

　家の中。テレビからの映像。商業施設。

　この三日間で、この「地球」のようすを知り、驚く程アナログな惑星だということが分かった。

　真琴と梨子が、俺たちの「地球」に来た時、エアカーやロボットが動き回るのを見て、やたらと驚いていたことが、この「地球」に来てようやく理解出来た。

　こんなようすじゃあ、俺たち第七宇宙の「地球」に追いつくまで、相当な時間がかかるな……。

　そう思うと、俺はこの一度滅びた惑星が、哀れに思えた。




「笑わせやがる」

　テレビから流れてきた、現在開発中だとかいう「空飛ぶ車」のニュースを見てこぼすと

「これからが楽しみですね」

　トランクスは、この「地球」の劣った科学力を、肯定的に捉える発言をした。

　俺とは違い、科学者気質を持ち合わせていることもあるのか、トランクスはこの星の科学力を温かい目で見ている節がある。

「おまえなら、こんなオモチャくらいすぐ造れるだろう。どうだ。エアカーを造って、この地球のヤツ等を驚かせてやったら」

「空飛ぶ車」に興奮し、無駄に大きな声を張り上げリポーターに、冷ややかな視線を向けながら言うと

「俺が出しゃばるところじゃありませんよ」

　トランクスはそう言って、小さく笑った。

「ブルマなら得意になって造りそうだがな」

「ハハ。そうですね。母さんならやりかねないな」

　自信と才能に満ち溢れた、調子のいい顔が脳裏に浮かんだ。

　ブルマはこの「地球」に興味を持っていた。