秋の青く高い空の下。

　私と梨子は急ぎ足で、梨子の家へと向かった。

　こういう時。学校から家まで徒歩約十分。という、バカみたいに恵まれた立地なのに、この距離をとても遠く感じてしまう。

「大丈夫かなぁ。一応、トランクスさんにパソコンは渡しておいたんだけど……」

　車が通り過ぎるのを待ってる間、そう漏らした梨子に

「パソコン？！　そっか、ネットか！　あんたにしてはやるじゃん！」

　でかした！　とばかりに、声をあげた。

　パソコンがあれば、ネットでこの地球のことをある程度知ることが出来る。
　
「でも、一晩でこの地球のこと理解するなんて無理だよね……」

　頭を抱える梨子に

「あの人なら大丈夫だろ！」　

　トランクスさんの賢さに期待しながら、私と梨子は車が途切れたのを見計らい、道路を横断した。

　地元民しか通らない、生活道路。

　車二台が、丁度すれ違えるくらいの道路を進んで行くと、梨子の家である『龍泉寺』が見えて来た。

　古めかしい山門をくぐり、家の方へ走る。

「ただいま！」
「お邪魔します！」

　急いで家の中へと上がり、リビングへ向かうと、リビングには、ソファに座りテレビを見ている梨子の母親がいた。

「ただいま！」
「こんにちは！」

　声をかけてすぐ

「お母さん！　トランクスさんとベジータさんは？！」

　梨子が、親子のことを尋ねると

「？　二人なら、菜奈と買い物に行ったわよ」

　不安過ぎる答えが返ってきた。