トランクスさんとベジータさんはどうだっただろうか。

　二人のことが気になり、私は昼食を食べ終わると、滅多に行かない、梨子のいる二年八組の教室へと向かった。

　教室の入口から中を覗くと、梨子はクラスメイト二人と、まだ弁当を食べている。

　食事中に悪いなと思いながらも、出直すのも面倒なので、私は入口から梨子に声をかけた。

　すると、気付いた梨子は、私の顔を見るなり、勢いよく椅子から立ち上がり、すぐに駆け寄って来た。

「マコちゃん！　会いたかったの！」

　言いたいことが山ほどある。というような、ウズウズした顔をする幼馴染に

「うん。分かってる」

　私は小さく頷き、梨子を廊下へ連れ出した。

　昼休みの廊下は人の行き交いが激しいので、目立たず話しがしやすい。

　私たちは教室の入口から少し離れたところで、話しはじめた。

　内容は、お互い一致している。

　そう。やはり、異宇宙から来たあの親子のことだ。

「で、どう？　あの二人、おじさんたちに怪しまれてない？」

　あの親子の面倒を、梨子に丸投げしたことに責任は感じている。
　
　だから。もし、怪しまれるようなことがあれば、あの二人には悪いが、梨子の家から早々に出て行ってもらい、他の滞在先を考えなければならない。

　考えるのは私の役目だ。そんな責任感があった。

　だが、返ってきた答えは

「怪しまれてないと思う。みんな、二人のこと日本語が上手なアメリカ人としか思ってないよ。いまのところだけど……」