目を開けると、木目の天井が目に入ってきて

　あれ？　ここどこだっけ……？

　自分がいま、どこにいるのか分からなくなった。

　何ヵ月も、起きれば真っ白な天井が目に入ってきてたから、この木目の天井こそが、本来の自分の部屋の天井だってことを、すぐに思い出せなかった。

「そうだ……帰って来たんだっけ」

　独り言を呟いて、またウトウトと二度寝の誘惑に引きずり込まれそうになってると

「梨子！　起きなさい！」

　ノックと一緒に、お母さんの声が聞こえてきた。

　その声で、一気に日常が戻ってきたことを実感し、私は毎日、二度寝三度寝を繰り返してた、カプセルコーポレーションでの幸せな日々が、遠ざかっていくのを感じた。

　ヤダ……起きたくないよぉ……。

　枕元に置いてたスマホを掴んで、時間を見ると、七時を少し回ってる。

　未練たっぷりに布団にしがみつき、ベッドの中でゴロゴロしてたら

「ベジータさんとトランクスさんは、もう起きてらっしゃるわよ」

　お母さんが、階段を下りると同時に捨て台詞を残していって、私は慌てて飛び起きた。

　そ、そうだ！　トランクスさんとベジータさん！！

　別宇宙から、トランクスさんとベジータさんが、私たちの住む地球に来てしまったことを思い出し、私はベッドを飛び出すと、そのまま階段を下りて、家族が集まるリビングに直行した。

　リビングを覗くと、トランクスさんとベジータさんが、ソファに並んで座って、朝のニュース番組を見てる。

　……何か、新鮮な光景。

　これまで見たことない光景に、ちょっとビックリして、突っ立ってると