ピース・日本⑤
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渋く落ち着いた外観とは違う、中の豪華さに驚いていると
「ああ、終わったかな? ありがとう」
にこりと微笑みながら、礼堯さんが近づいて来た。
「は、はい。あの、他に何かお手伝い出来ることはないかと思いまして……」
厳かな雰囲気が立ち込める本堂の戸を、ノックもせず開けてしまったことはマズかったかな……。バツ悪く思いながら、遠慮がちに尋ねると
「ありがとう。じゃあ、上がって畳を拭いてもらえるかい」
礼堯さんは、俺に本堂の中に入るよう促した。
「はい」と返事はしたものの、この神聖さが漂う場所に、気安く入っていいんだろうかと躊躇してしまう。
すると、そんな俺の躊躇いを察したらしく、礼堯さんは
「遠慮しなくても大丈夫だよ」
そう言って小さく笑い、再び中に入るよう促した。
「こうやって、畳の目に沿って、一方向に拭いていってくれるかな」
礼堯さんに教わり、俺は乾いた雑巾で畳を拭き始めた。
こんなふうに、雑巾を使って掃除をするなんて、いつぶりだろうか。
いつも、掃除は掃除ロボットに任せきりで、雑巾を持った記憶は遠いむかしだ。
面倒な家事はロボットに任せる。
それが、俺の住んでいた世界では当たり前のことになっていたから、こうして自分で掃除をするのは新鮮だった。
拭き進めるごとに、畳と共に心も磨かれていくようで、気分も晴れやかになっていく。
それに、足腰を使うので、軽いトレーニングとしても丁度いい。
これこそ一石二鳥だな。
そんなことを思いながら、俺は本堂の畳の間を拭き進めていった。
「ああ、終わったかな? ありがとう」
にこりと微笑みながら、礼堯さんが近づいて来た。
「は、はい。あの、他に何かお手伝い出来ることはないかと思いまして……」
厳かな雰囲気が立ち込める本堂の戸を、ノックもせず開けてしまったことはマズかったかな……。バツ悪く思いながら、遠慮がちに尋ねると
「ありがとう。じゃあ、上がって畳を拭いてもらえるかい」
礼堯さんは、俺に本堂の中に入るよう促した。
「はい」と返事はしたものの、この神聖さが漂う場所に、気安く入っていいんだろうかと躊躇してしまう。
すると、そんな俺の躊躇いを察したらしく、礼堯さんは
「遠慮しなくても大丈夫だよ」
そう言って小さく笑い、再び中に入るよう促した。
「こうやって、畳の目に沿って、一方向に拭いていってくれるかな」
礼堯さんに教わり、俺は乾いた雑巾で畳を拭き始めた。
こんなふうに、雑巾を使って掃除をするなんて、いつぶりだろうか。
いつも、掃除は掃除ロボットに任せきりで、雑巾を持った記憶は遠いむかしだ。
面倒な家事はロボットに任せる。
それが、俺の住んでいた世界では当たり前のことになっていたから、こうして自分で掃除をするのは新鮮だった。
拭き進めるごとに、畳と共に心も磨かれていくようで、気分も晴れやかになっていく。
それに、足腰を使うので、軽いトレーニングとしても丁度いい。
これこそ一石二鳥だな。
そんなことを思いながら、俺は本堂の畳の間を拭き進めていった。