セルと魔人ブウは、父さんたちに任せることにし、俺は任務である、真琴さんを守ることを優先させ、カプセルコーポレーションに残った。

　トワは狡猾だ。

　梨子さんたちがこの地球を去る日に、セルと魔人ブウが現われるなど、ヤツ等が何かを企んでいるとしか思えない。

　ヤツ等の企み。

　それは、きっと真琴さんを攫うことだ。

　きっと、間もなく、ヤツ等は現れる……！

　そう思っていた矢先

「あら、トランクス。あなたはここに残ったの？　勘のいいこと」

　上から、トワの声が降ってきた。

　すぐに、空を見上げると、そこには、可笑しそうな微笑を浮かべたトワと、ミラが立っていた。

「やはり現れたな！」

　二人を睨みつけると、トワとミラはスーッとカプセルコーポレーショの庭へと下りて来て

「フフ。私たちが来ることは分かってたみたいね」

　それも、計算の内だと言わんばかりの、余裕の笑みを浮かべた。

　そんなトワとミラに

「真琴さんを、おまえたちに渡すわけにはいかない！」

　俺はそう叫ぶと、戦闘態勢に入り、目の前の二人睨みつけた。

　すると

「あなたたちだけで、守りきれるかしら？」

　トワは口角を上げ、持っていた、両先が尖った杖で、地面をトンと突いた。

　何かを企むその顔に、構えを深くすると、杖で突いた地面が、ボコボコと盛り上がりはじめた。

　それと同時に、黒い邪悪なオーラも地面からユラユラと湧きはじめ、何かが現われる気配がした。

　警戒していると、地面の中から、緑色をした生物が五体、湧くように現れた。