千年も続く王家など、信じられるものか……！

　滅ぼされた「惑星ベジータ」を思い出し、そんな卑屈な思いに駆られた。

　フリーザの野郎さえいなければ、まだ「惑星ベジータ」は存続し、俺が王になっていたはずだ。

　そう思うと、フリーザへの怒りが込み上げ、奥歯を噛みしめた。

　クソッ！
　むしゃくしゃしてきたぜ！

　すぐにでも、トランクスをトレーニングに連れ出したくなったが、真琴の

『間違っても、舞空術とか超サイヤ人とかになっちゃダメですからね！！　修行も極力控えて下さい！　いいですね！！』

　その言葉を思い出し、心の中で舌打ちをした。

　この第六宇宙の地球人は、超常現象的なことに対しての探求心が深いらしい。

　ほぼすべての人間が、カメラ付き携帯電話を持ついま、何かあれば、世界中にその写真なり動画が拡散される。

　だから、俺とトランクスのような、存在自体が「超常現象」のようなヤツは、大人しくしとけと、真琴に言われた。

　いつものように、トレーニングすら出来ない環境に、ますます苛立ちが募る。

　何か、苛立ちを解消するいい案はないか考えたが、風呂に入るぐらいしか浮かばず、腰を上げた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「父さん、どちらへ？」

　俺の方へ首を回すトランクスに

「風呂だ」

　俺は短く返事をし、部屋を出た。

　風呂に入るなり、俺はシャワーの蛇口を最大まで開け

　こんなところにずっといたら、腐りそうだぜ！

　心の中で悪態を吐き、熱いシャワーを浴びた。