「ユーラシア大陸」と書かれた、広大な大陸の傍に、細長く小さな島が映し出される。

「それが『ニホン』か……」

　あまりの小ささに唖然としながら

「おい、俺たちがいま居るのは、どこだ？」

　眉を顰めた。

「えっと……待って下さい。確か、東京という街から南……海沿いの……。おそらく、この辺りだと思います」

　夕食の時に聞こえてきた話しを思い出しながら、トランクスは現在地を調べはじめた。

　そして、目途を付けると、地図を拡大する。

　表示された地図には『房総半島』と書いてあり、そこにはいくつかの町の名前が書いてあった。

「ここか……」

　大まかだが、トランクスが指した半島の先端あたりを見据えた。

「日本は、四十七の都、道、府、県という行政区画で分かれていて、この辺りは『千葉県』という区画だそうです」

「こんなに小さい島の中で、更に区画が分かれてるだと？　笑わせるぜ。この地球人は細かく分けるのがよっぽど好きらしいな」

　土地や人を細かく分け、統治する意味が理解出来ず、俺はこの地球の仕組みを嘲笑った。

　俺が知る限り、大抵の惑星には王や権力者がいて、そいつに権力を集中させることで、星は上手く回っている。

　だから「国」なんてものだけでなく、更に「県」などというもので細分化しているなど、愚の骨頂だと思った。

「つまらん星に来たもんだぜ。しかも、こんなに小さい島とはな……」

　吐き捨てるように言うと、パソコンの方を向き、画面を眺めるトランクスが

「それが……小さな島ですが、この地球での存在感は意外と大きいようですよ」

　背中を向けたまま、そう答えた。