「しけた部屋だぜ……」

　天井に張り付いた円形のライトを睨み、こんな場所に来てしまったことに苛立ちを覚えた。

　それと同時に、得も言えぬ焦燥感も湧いてくる。

　こんなところにいる間に、カカロットのヤツがミラを倒しているかもしれん……！

　そう思うと、あのトワとかいう女が創り出した穴の中に、勢いよく飛び込んだ自分を恨んだ。

　クソッ！

　拳を握り、苛立ちを抑えていると

「なるほど……俺たちの住む地球とかなり違いますね」

　納得したというふうな、トランクスの声が聞こえてきた。

　第六宇宙と第七宇宙は双子のような関係だとウイスから聞いていたが、鏡で映したようにそっくりというわけではないらしい。

「どれぐらい違うんだ？」

　少し興味が湧き、睨んでいた天井からトランクスの背に視線を向けた。

　すると、トランクスは振り返り「見て下さい」そう言って、パソコンの画面を俺に見せてきた。

　映っていたのは、この第六宇宙の地球を平面化した図で、明らかに俺の知る地球とは異なっていた。

「それが、第六宇宙の地球か」

　あまりの違いに、画像を見据える俺に、トランクスは、たったいま知った知識を披露しはじめた。

「はい。この地球には、六つの大陸とたくさんの島々があって、二百近い『国』というものがあるようです」

「二百だと……？！　そんなに細かく分かれているのか？」

「ええ。その『国』によって、それぞれ言葉や文化の違いがあるようですね」

「それで、俺たちがいまいる『ニホン』とかいう国はどこだ？」

「えっと『日本』は……ここです」

　トランクスが地図を拡大した。