ただ、習慣や文化的な面は違うことが多々あるのだと思うと

　これから戸惑うことが出てくるかもしれないな……。

　どれぐらいの期間になるか分からないが、今日から送ることになる、この地球での生活に好奇心が湧いてきた俺は、この地球での生活が、少し楽しみになってきたのだった。

　

　家の中に入り、リビングへ行くと、ソファに黒い髪のショートヘアの女性が座っていた。
　
　女性は妊娠しているようで、お腹の膨らみが目立っている。

　梨子さんは

「お姉ちゃん！」

　大きな声をあげるなり、女性の傍に行くと

「よかったー！　まだ産まれてなかった！！」

　そう言って、女性のお腹を優しく撫でた。

　そんな梨子さんのようすに

「あんた、何言ってんの？　予定日来月だって言ったでしょ」

　梨子さんが「お姉ちゃん」と呼んだ人は、怪訝な顔で梨子さんを見た。

　すぐに「マズイ……」という顔をした梨子さんが

「あ、そ、そっか！　そうだったよね！！」

　アハハと笑って誤魔化していると、梨子さんのお姉さんが「あ」といった表情で、リビングの入り口に立つ俺たちに気が付いた。



「姉の菜奈です。そして、こっちが主人の孝明（たかあき）です」

　夕食が始まる前、改めて梨子さんの家族を紹介された。

　家族の話しは梨子さんから聞いていたが、実際に会うことになるとは思っていなかったので、とても感慨深かい。

「は、はじめまして。トランクスです。えっと……そして、こちらが父のベジータです」