そもそも、この家で世話になることになったのは、真琴の吐いた大嘘のせいだ。　

　それなのに、真琴のヤツは悪びれたようすもなく、他人事のように梨子を言い含めている。

　苛立ちを感じた俺は

「おい。誰のせいで、この家で厄介になることになったと思ってやがる」

　真琴を見据えると、真琴は一瞬不服そうな顔をしてから

「だって、こうするしかなったんですもん。いまのところ、この地球で頼れるのは梨子の家だけです。もし、梨子が嫌だって言うなら、二人にはどっかで野宿してもらうことになりますから」

　平然と脅迫めいた言葉を、隣りに立つ梨子に聞かせるように吐いた。

　俺たちは、別に野宿になろうが構わん。

　しかし、梨子がそれを許さないのは、真琴には織り込み済みのようで

「野宿なんてさせられないよ！」

　案の定、梨子は、俺たちに野宿はさせられないと、慌てた顔をした。

「じゃ、時の界王神様と連絡がつくまで、二人は梨子の家で世話になるってことでいいね？」

　真琴は梨子に、確認というより、釘を刺すように言ってから、今度は俺たちの方を見て

「というわけなんで、二人はこの家で大人しくしてて下さい。いいですか。間違っても、舞空術とか超サイヤ人とかになっちゃダメですからね！！　修行も極力控えて下さい！　いいですね！！」

　声を潜めながらも、強い口調で、俺とトランクスにも釘を刺した。