「空いてる部屋がここしかなくて……。狭いですけど、こちらを使って下さい」

　通された部屋は、リビングを出て、廊下を真っすぐ行った先にある、突き当りの部屋だ。

　木と紙で出来た……確か、襖とかいう引き戸を開けると、そこは馴染のない、畳敷きの部屋だった。

　そのまま部屋に入ろうとすると、同行していた##NAME3##に

「スリッパ脱いで下さいね」

　また注意され、面倒だと思いながらも、言われるままスリッパを脱ぎ、トランクスと二人、薄暗い部屋に足を踏み入れた。

　瞬間、電気のスイッチが点けられ、薄暗い部屋が明るく照らされる。

　よく見えるようになった部屋には何もなく、その通り空き部屋のようだ。

　ぐるりと、俺たちが部屋の中を見回し終えると同時

「食事が出来たら呼びに来ますから、それまではこちらの部屋でゆっくりなさって下さい」

　梨子の母親はそう言うと、軽く会釈をし、来た方へと戻って行った。

　その姿が消えると、それを待っていたかのように

「いやー、何とかおばさんも誤魔化せたみたいで、よかったよかった」

　真琴が安堵の声を漏らした。

　自分の吐いた大嘘がバレず、ホッとする真琴だが、その隣りでは

「……誤魔化せたのはよかったけど……ベジータさん、トランクスさん……何か、すみません……」

　梨子が、申し訳なさそうな顔で俺たちを見ていた。

「どうして梨子さんが謝るんですか？」

　そう。世話になるのは俺たちだ。

　この娘が謝ることなど何もない。

　俺も疑問に思っていると