マコちゃんは、戸惑った声で答えた。

「困ってらっしゃるでしょうねぇ」

「そうですね……。早く、荷物が見つかればいいんですけど……」

「そうねぇ。まぁ、それまでは、ウチに泊まってもらって構わないんだけど……。ウチなんかでいいのかしら？　何のおもてなしも出来ないけど……」

「ああ、それは大丈夫だそうです。むしろ、日本の家庭のようすを知ることが出来るので、歓迎だそうです」

　嘘を、まるで本当のことのように話すマコちゃんに、感心してると

「あ、あの。突然、すみません……。お世話になります……」

　マコちゃんとお母さんの話しを聞いてたトランクスさんが、お母さんに頭を下げた。

　その瞬間。

「まぁ！　日本語がお上手だこと！」

　お母さんは驚いて口に手を当て、お父さんは

「おお！　日本語が話せるんですか！」

　ホッとした顔を浮かべ、緊張感が漂ってた玄関の空気が、明らかに緩んだのが分かった。　

　きっと、両親とも、トランクスさんとベジータさんとは、言葉の壁があると思ってたんだと思う。

　っていうか「アメリカから来た」なんて言われたら、そう思うのが当然だよね。

　でも、それは心配ない。

　むしろ、英語の方が話せないんじゃないかっていう、不安の方があるけど……。

　そんな、一抹の不安を、頭の中で過らせてると

「あ、そうなんです。お二人とも、日本語の勉強をされてて、日常会話には困らないそうです」

　マコちゃんは、心配無用って感じで、お父さんとお母さんに向かって、にっこりとした笑顔を浮かべた。