そんな考えが頭を過ると、俺は空中で急停止していた。

「！　どうしたんだよ？！」

　急に止まった俺を振り返り、叫ぶカカロットに

「セルと魔人ブウは、おまえに譲ってやる！」

　俺はそう叫ぶと、後ろを向き、カプセルコーポレーションに向かって引き返していた。

「お、おい、ベジータ？！」

「どうしたんだよ、ベジータ？！」

　追って来ていたヤツ等の驚く声が聞こえたが、それを無視し、俺はカプセルコーポレーションに向かって、スピードを上げた。

　もし、この考えがハズレなら、お笑いだぜ……！

　一人、カプセルコーポレーションへと引き返しながら、自分を嘲笑っていると、突然二つのトランクスの気と、悟天の気が高まったのを感じた。

　！　やはり、そういう魂胆だったってわけか。

　トワとミラの考えを見抜いたことに、思わず笑いが込み上げてくると

　貴様らの思い通りにはさせんぞ！

　俺は口の端を上げ、空を突っ切っていた。



　カプセルコーポレーションの庭を見下ろすと、そこには、見覚えのない二人とサイバイマンが五体、トランクスたちと対峙していた。

　あの二人がトワとミラか。

　気を消し、存在感を主張するような、赤を身に付ける二人を空から見下ろしていると、サイバイマンが一体、１８号に向かっていった。

　チッ！　サイバイマンまで強化してやがる。

　俺たちが使っていたのとは、明らかにパワーが違うサイバイマン相手に、１８号は本気に近いパワーを出している。

　ということは、こっちのトランクスと悟天も、サイバイマンの相手をするので、手一杯になるだろう。