LiarLiar①
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むしろ、俺と父さんは、真琴さんに感謝しなければいけない。
そう思った。
しかし、あれだけの嘘と提案を、小径を下る短時間の間に思いつき、躊躇うことなく、堂々と大嘘を吐いた真琴さんを、俺は見事だと思った。
あれだけの「嘘」も、動揺を見せず、まるで真実のように話すことで、相手に信じ込ませることが出来るんだと、目の当たりにした。
だが、それは真琴さんが言っていたように、話す人物に「人徳」があってこそ成せるのだろう。
日頃から、人徳や信用のない人間が、嘘を吐いたところで、信じてもらえはしない。
このことから、真琴さんは、梨子さんの父親からの信用が厚いのだと実感した。
ただ。
真琴さんが話している途中、梨子さんの父親が、ハッとした表情をしたのが少し気になった。
もしかしたら、嘘がバレたのかと、内心ギクリとしたが、梨子さんの父親は、俺たちに何も尋ねることなく
「うーん……。そういう事情なら、仕方ないなぁ」
同情の顔を、俺と父さんに向けてから
「とりあえず、母さんとも相談して来るから、少し待っててくれ」
そう言って、家があるだろう方向に行ってしまった。
俺は、遠ざかって行く背中を見つめながら、真琴さんが考えた嘘が、上手くいくのか不安になった。
この嘘を貫くには、俺と父さんが、この地球の人間らしく振舞うのが前提だからだ。
果たして、出来るだろうか……?
俺は思わず、父さんの横顔を窺っていた。
そう思った。
しかし、あれだけの嘘と提案を、小径を下る短時間の間に思いつき、躊躇うことなく、堂々と大嘘を吐いた真琴さんを、俺は見事だと思った。
あれだけの「嘘」も、動揺を見せず、まるで真実のように話すことで、相手に信じ込ませることが出来るんだと、目の当たりにした。
だが、それは真琴さんが言っていたように、話す人物に「人徳」があってこそ成せるのだろう。
日頃から、人徳や信用のない人間が、嘘を吐いたところで、信じてもらえはしない。
このことから、真琴さんは、梨子さんの父親からの信用が厚いのだと実感した。
ただ。
真琴さんが話している途中、梨子さんの父親が、ハッとした表情をしたのが少し気になった。
もしかしたら、嘘がバレたのかと、内心ギクリとしたが、梨子さんの父親は、俺たちに何も尋ねることなく
「うーん……。そういう事情なら、仕方ないなぁ」
同情の顔を、俺と父さんに向けてから
「とりあえず、母さんとも相談して来るから、少し待っててくれ」
そう言って、家があるだろう方向に行ってしまった。
俺は、遠ざかって行く背中を見つめながら、真琴さんが考えた嘘が、上手くいくのか不安になった。
この嘘を貫くには、俺と父さんが、この地球の人間らしく振舞うのが前提だからだ。
果たして、出来るだろうか……?
俺は思わず、父さんの横顔を窺っていた。