チケット・トゥ・パラダイス②
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植物園は思っていた以上に立派なもので、植物ごとに分かれた温室が、数棟建ち並んでいた。
熱帯気候を再現する温室に入れば、そこにはハイビスカスやブーゲンビリアなどの原色の花々が、鮮やかに咲き乱れている。
他にもバナナやマンゴー、カカオなどの果樹。それに、ヤシやシダの木が生い茂るジャングル、サボテンを展示した温室もあり、俺は初めて訪れた植物園というものに感心していた。
「人工的なものとはいえ、これだけの自然に囲まれると気持ちがいいですね」
室内に充満する湿った土の匂いと、植物から放たれる、甘く息づく香りを吸い込んでいると
「はぁー……癒されますよねー」
梨子さんも目を閉じ、大きく息を吸い込んでいた。
そんな彼女の姿に目を細め、植物よりも、梨子さんに癒されている自分に、俺はやっと訪れた、二人で過ごすこの幸せな時間を噛みしめていた。
だが、しかし。
梨子さんからすると、智子さんに言われるまま、俺をここに連れて来てくれただけで
きっと、彼女は今日のことをそんなに特別なことだとは思ってはいない……。
そう思うと、南国を思わせるこの陽気さが恨めしくなる程、俺の心は、寂しく陰気なもので満ちていきそうだった。
いつまで経っても、断ち切れない梨子さんへの想い。
この想いを断ち切るにはどうすればいいんだろうか……?
密かに溜息を吐いていると
「次は動物広場の方に行きませんか?」
はしゃぐ梨子さんの姿に、俺は何とか笑顔つくり「ええ」と答えていた。
熱帯気候を再現する温室に入れば、そこにはハイビスカスやブーゲンビリアなどの原色の花々が、鮮やかに咲き乱れている。
他にもバナナやマンゴー、カカオなどの果樹。それに、ヤシやシダの木が生い茂るジャングル、サボテンを展示した温室もあり、俺は初めて訪れた植物園というものに感心していた。
「人工的なものとはいえ、これだけの自然に囲まれると気持ちがいいですね」
室内に充満する湿った土の匂いと、植物から放たれる、甘く息づく香りを吸い込んでいると
「はぁー……癒されますよねー」
梨子さんも目を閉じ、大きく息を吸い込んでいた。
そんな彼女の姿に目を細め、植物よりも、梨子さんに癒されている自分に、俺はやっと訪れた、二人で過ごすこの幸せな時間を噛みしめていた。
だが、しかし。
梨子さんからすると、智子さんに言われるまま、俺をここに連れて来てくれただけで
きっと、彼女は今日のことをそんなに特別なことだとは思ってはいない……。
そう思うと、南国を思わせるこの陽気さが恨めしくなる程、俺の心は、寂しく陰気なもので満ちていきそうだった。
いつまで経っても、断ち切れない梨子さんへの想い。
この想いを断ち切るにはどうすればいいんだろうか……?
密かに溜息を吐いていると
「次は動物広場の方に行きませんか?」
はしゃぐ梨子さんの姿に、俺は何とか笑顔つくり「ええ」と答えていた。