「えっ？！　ここって……ウチ？！」　

　信じられない展開に、オロオロしてると

「だと思う……」　

　マコちゃんは眉間を寄せて、曖昧な返事をした。

　もう一度、後ろを振り返って、古びた本堂の黒い瓦屋根と、夕暮れが近付きつつある、黄みがかった空を凝視した。

　これって、現実？　
　それとも……あのトワっていう魔女のかけた、悪い魔法……？

　前にも、トワって魔女の創った穴に呑み込まれ、どこかも分からない世界に飛ばされたことのある私は、ここが、本当に自分のよく知ってる場所だなんて、とても信じられなかった。

　だから

　これは現実じゃなくて、あの魔女が創り出した、疑似世界なんじゃ！？

　……なんて。自分で言うのも何だけど、珍しく、この状況に警戒してると

「ウチだと……？　ということは、ここは、おまえたちの住んでいた、第六宇宙の地球ということか？」

　思いっきり訝る、ベジータさんの声が聞こえてきた。

　その質問に、自信を持って「はい」って答えられない私は

「わ、分からないです……！　似てはいるけど……。もしかしたら、違う世界かも……」

　答えながら、マコちゃんの反応を見ようと、視線を向けた。

　すると

「いま、ちょっと周りを見て来たんだけど……。ここ、私たちの住んでた地球で、間違いない気がする……」

　マコちゃんは、腑に落ちない。っていう顔をしながらも、ここが、私たちの住んでた地球だって、確信があるみたいだった。

　いままでなら、警戒感を露わにして

「ここが、私たちの住んでた地球なわけないだろっ！」