チケット・トゥ・パラダイス①
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傘と傘の隙間から零れてくる雨の粒が、繋がれた手の上に落ちてくる。
それは熱を持った身体を冷ますのにも、浮つく心を落ち着かせるのにも丁度良くて、心地良い雨だった。
温かくて大きなトランクスさんの手。
あの手に引かれ、雨の中を歩いた日のことを思い出すと、頬は自然と緩んでく。
また繋ぎたいな……。繋げないかな……。
そんなことを思いながら、ぼんやり教室の前にある黒板を眺めてると
「何ニヤニヤしてんの?」
空いてる前の席に座るなり、仁美が目を細め、顔を覗き込んできた。
急に声をかけられて「え? 別に」何でもないっていうふうを装ったけど
「ふーん。あの男 と何かあった?」
仁美はお見通し。って感じで、更に目を細めた。
それが何だか悔しくて
「別に……何もないよ」
否定してみたけど、仁美はそんな私に「バレバレだし」って意地悪く笑ってから
「いいことあったって、顔見たら分るってーの」
ニヤリと微笑んだ。
見透かされてることが悔しくて、ムッとしつつも、いいことがあったのは事実で……。
顔が緩みそうになるのを我慢して、必死に口を結んでると
「梨子ってば、恋してんじゃん」
休み時間のザワついた教室の中でも、その声は、やけにハッキリ聞こえた。
からかうような口調だけど、その中には仁美なりの祝福みたいなものも感じ取れて「うん」て正直に頷いてた。
でも。心の中にスッキリしないものがあって、表情は曇ってく。
そんな私のようすに
「どしたの?」
仁美は頬杖をつき、不思議そうな顔をした。
それは熱を持った身体を冷ますのにも、浮つく心を落ち着かせるのにも丁度良くて、心地良い雨だった。
温かくて大きなトランクスさんの手。
あの手に引かれ、雨の中を歩いた日のことを思い出すと、頬は自然と緩んでく。
また繋ぎたいな……。繋げないかな……。
そんなことを思いながら、ぼんやり教室の前にある黒板を眺めてると
「何ニヤニヤしてんの?」
空いてる前の席に座るなり、仁美が目を細め、顔を覗き込んできた。
急に声をかけられて「え? 別に」何でもないっていうふうを装ったけど
「ふーん。あの
仁美はお見通し。って感じで、更に目を細めた。
それが何だか悔しくて
「別に……何もないよ」
否定してみたけど、仁美はそんな私に「バレバレだし」って意地悪く笑ってから
「いいことあったって、顔見たら分るってーの」
ニヤリと微笑んだ。
見透かされてることが悔しくて、ムッとしつつも、いいことがあったのは事実で……。
顔が緩みそうになるのを我慢して、必死に口を結んでると
「梨子ってば、恋してんじゃん」
休み時間のザワついた教室の中でも、その声は、やけにハッキリ聞こえた。
からかうような口調だけど、その中には仁美なりの祝福みたいなものも感じ取れて「うん」て正直に頷いてた。
でも。心の中にスッキリしないものがあって、表情は曇ってく。
そんな私のようすに
「どしたの?」
仁美は頬杖をつき、不思議そうな顔をした。