「マコちゃん？！」

　幼馴染の登場に、もっと、どういう状況なのか分からなくなって、私は頭の中が「？」でいっぱいになった。

　唖然としてると

「大丈夫ですか？　どこか、痛むところはありませんか？」

　トランクスさんの、心配そうな顔が覗き込んできて「は、はい！」って答えた私は、そこで、ハッと思い出した。

「そ、そうだ！　私たち、あの穴に吸い込まれて……！　えっ？　あれ？！　な、何でトランクスさんとベジータさんが……？！」

　穴の中に吸い込まれてからのことが解からず、パニックになってると

「落ち着け」

　諫めるように、マコちゃんが、短い言葉を放ってきた。

　だけど、とても落ち着ける状態じゃない私は
　
「いや、だって……！　どうなってるの？！　ここ、どこなの？！」

　マコちゃんに、食い気味に質問してた。

　すると、マコちゃんは、小さく溜息を吐いてから

「見てみな」

　顎で、正面を指した。

　マコちゃんが指す方向。

　その方向に顔を向けた私は、目に映った風景を見て、固まっちゃった。

　だって。それは、すごくよく知ってる風景に似てたから。

　ゆっくり立ち上がった私は、木々の間から見える、その景色に目を凝らした。

　黒や青の瓦屋根に、赤い洋風屋根の家々。

　そして、道路を走って行く、軽自動車。

　よく知ってる景色に唖然としながら、周りの景色も確認するため、ぐるりと周りを見回した私は、振り返ってすぐ、目に入った建物を見て、絶句した。

　だって、そこには、私の家でもある『龍泉寺』の本堂があったんだもん！