修行を終えた後のサイヤ人の食欲がとんでもないことを、私はよーく知っている。　

　だから、樹海での修行を勧めたことで、ベジータさんとトランクスさんが飢えるだろうことは、想定内だった。

　一般家庭では賄えない程の、食事を必要とするサイヤ人。

　では、サイヤ人二人の空腹を満たすにはどうすればいいか？　

　それを考えている時、たまたまテレビでフードファイトの番組が放送されていた。

　身体は華奢だが、大喰いな女性タレントや、元男性アスリートなどが、揚げ物が山のように積まれたカレーを頬張るその姿を見て

「コレだ！」

　思わず叫んだのは言うまでもない。

　早速、スマホでデカ盛りチャレンジを提供してる店を調べたが、残念ながら近場にはなく、とりあえず家から一番近い店の情報を保存した。

　でも、フードファイトのことを、私から言うのもな……。

　そう思うと

　まぁ、向こうが空腹を訴えてくるまで待つか。

　私はこのことは頭の隅に追いやり、サイヤ人二人が何か言ってくるまで、放置することにした。

　そして、放置して数日経った木曜の夜――。

　梨子からＬＩＮＥが届いた。

　その内容を読んだ私は、仕方ないと小さく溜息を吐きつつ、梨子から送られて来た内容の了解と、一つの条件を付けて返信した。

　そして、日曜。

　私は梨子とサイヤ人二人を連れて、調べていたデカ盛りチャレンジを提供している店に出掛けることになった。

　店は二つ隣りの市にあるので、行くには電車に乗る必要がある。

　それで、待ち合わせは駅の改札前になった。