「アハハハっ！　確かに、いつもぼんやりしてるけど！」

　仁美は楽しそうに笑うと、続けて

「でもさ、イヤな顔っていっても、マジイヤな顔じゃないんだよねー。拗ねるっていうかさ、独占欲みたいな？　そんな顔」　

　仁美は、その時のことを思い出したのか、今度は可笑しそうにニヤニヤと笑った。

　そんな仁美を見て
　
「独占欲って……。観光に来ただけの外国人だぞ。好きになんてなんないだろ」

　敢えて、否定にまわると

「あれは絶対そう！」

　仁美は自信たっぷりに言い切り

「だって、この前会った時の梨子、ばちかわだったから！」

　確信得たりというふうに、口角を上げた。

「この前？」

「うん。日曜に偶然会ったんだよねー。ほら、最近出来た百均あんじゃん？　あそこで」

　仁美はそう答えてから

「地元の百均行くのにさ、あんなカワイイ恰好しないって、普通！　だから、梨子と一緒にいるイケメンが、好きピだってすぐ分かったんだよね。しかも、会った瞬間、梨子にすっごくイヤな顔されたから！」

　キャハハ！　と可笑しそうに笑った。

　県道沿いに先月出来た、大きめの百円均一の店を思い出しながら

「あいつ正直なとこあるからな」
　
　休みの日に、運悪く仁美と出くわし、しかもあからさまに嫌な顔をした梨子に、同情と呆れの気持ちを抱き呟くと

「そ！　失礼すぎ」

　仁美はケタケタと笑い

「ま、私は梨子の好きピ見れて、テンション上がったけどねー！」

　今度はニヤニヤと笑った。

　そして