っ呑み込まれてたまるか！！

　穴から抜け出そうとするも、強い力で引き摺り込まれ、身体を動かすことが出来ない。

　何とか抵抗しようと、上半身を必死で捩っていると、グッと右腕を掴まれた。

　見上げると、それは梨子で、私を引っ張り上げようとしている。

「梨子？！　何やってんの？！　離せって！　あんたまで呑み込まれるでしょ！！」

　梨子を止めるも、梨子は

「イヤ！　絶対に離さないんだから！！」

　そう言って、私の右腕を引っ張った。

　だが、穴の引き摺り込む力の方が圧倒的に強く、私だけでなく、梨子まで穴に呑み込まれはじめた。

　腰の辺りまで吞み込まれた私を、何とか引っ張り上げようとする梨子だが、誰が見ても無謀な行為に

「真琴ちゃん！　梨子ちゃん！！」
「真琴さん！！　梨子さん！！」

　ブルマさんとコッカーさんの、慌てる声と一緒に

「馬鹿！　離せって！！」

「ヤだ！　絶対に離さない！！」

「あんた、何考えてんの？！　離せ！！」

「イヤっ！！　助けられないなら、私も一緒に行く！！」

　っていう、私たちの言い争う声が、庭に響いた。

　いつになく、頑固な幼馴染にムカつきながら、腕を掴む手を振り解こうとするも、梨子は更に力を入れて、離そうとしない。

　何だ、コイツ？！

　完全にイラッとして

「離せ、コラっ！」

　怒声を出すも、首をブンブンと振られ、イラつくどころの話しじゃなくなってきた。