「仁美に気を付けろ」

　トランクスさんから、マコちゃんの伝言を聞いた私は「？」を浮かべた。

　けど。翌日登校して、伝言の意味が分かった。

「どうしよう、マコちゃん……」

「だから、気を付けろって言っただろ」

「気を付けろ。だけじゃ分かんないよぉ……」

　放課後。私はすぐに、マコちゃんのクラスに行って「気を付けろ」の意味を詳しく教えてくれなかった##NAME5##を責めた。



　朝。教室に入るなり、仁美はいつも以上にニコニコした顔で、私の席へやって来た。

　そして、どこから聞いたのか

「一昨日、この学校の生徒がお姫様抱っこされて歩いてたって噂で聞いたんだけど、それって梨子でしょ？」

　白状しろ。って言わんばかりの、ニマニマした顔で、病み上がりの私に色々聞いてきた。

　最初ははぐらかしてたけど、仁美の追及は休み時間の度に及んで、耐えきれなくなった私は、ついトランクスさんのことを話してしまった。

　トランクスさんの存在を知った仁美は、当然興味津々。

　トランクスさんのことを色々聞いてきた。

　でも、トランクスさんのことを詳しく話すわけにはいかない。

　だから、家族に説明してるのと同じように、マコちゃんのお兄さんの知り合いのアメリカ人で、アメリカから観光に来てることを話した。

　仁美への牽制を込めて「マコちゃんのお兄さんの知り合い」っていうのと「アメリカ人」だっていうところを強調した。

　外国人。しかも、私とは何の関係もない人。となれば、仁美も踏み込んでこないはず！

　そう思ってたのに