トランクスさんは、コンビニの白いビニール袋を差し出してきた。

　袋からは、青と白の二色使いのペットボトルのキャップがのぞいてて、私は袋の中身が何か大体想像出来た。

　私は、トランクスさんと目を合わせないように「ありがとうございます」って俯きながらお礼を言って、差し出されたビニール袋を受け取り、ドアを閉めようとした。

　そしたら

「あ、あの、梨子さん……！」

　名前を呼ばれ、ドアを閉めようとしてた手を止めた。

「……はい」

　何となく気まずくて、トランクスさんの顔も見ずに返事をすると

「さっきはすいませんでした！　強引に梨子さんを抱えたまま帰って来てしまって……！　本当にすいません！」

　トランクスさんは慌てた口調でそう言ってから、深く頭を下げた。

　そんなトランクスさんを見て、反省してるのは伝わってきたけど、私の中に意地悪な気持ちがムクッと芽生えて

「……もういいです」

　わざとぶっきらぼうに呟くと、そのままドアを閉めた。

　ドアを閉めた後、胸にチョビッと罪悪感が湧いたけど、さっきの仕返しが出来た気がして、スッキリしてる自分がいた。

「ふぅ」一つ息を吐いて、ビニール袋からペットボトルを取り出すと、私は熱で火照る身体にスポーツドリンクを流し込んだ。

「命の水」って言ってるだけあって、飲むと潤いが喉から全身へ行き渡り、ＨＰが回復した気がする。

　私は今度は「ふぅ」と全身で息をすると、やっとベッドに潜り込み、寝る体勢を整えた。

　ベッドに入ればそのまま眠れる……。

　そう思ってたのに、全然寝付けそうになかった。