自分の部屋に入ってドアを閉めると、私はヘナへナとその場に座り込んだ。

　熱が上がってきたみたいで、頭がクラクラする。

　ハァ……。と熱を帯びた息を吐きながら、私はトランクスさんを恨めしく思った。

　だって……！　

　だって、熱が上がったのは、きっとトランクスさんのせいだもん！

　学校から家まで、私、抱きかかえられて帰って来たんだよ！

　もう、スゴく胸がドキドキして、身体中熱くて仕方なかったんだから！

　しかも、通学路になってるあの道は生活道だから、昼間は交通量が多い。

　だから、車とすれ違う度に、抱えられてるところを見られてる気がして、恥ずかしくて仕方なかった！

　さっきのことを思い出すと、私は「もう、もう……！」って、拳を握って、ぶつけようにもぶつけられない思いを発散させるしかなかった。

　何とも言えない、グルグルにもつれた感情を発散して、どうにかモヤモヤまで変化させたところで、私はようやく「ふぅ！」と大きく息を吐いて立ち上がると、制服からパジャマへ着替えることにした。

　フラフラしながら着替えを終えて

　……さぁ、寝よう。

　そう思ってベッドに入ろうとしたその時、コンコンとドアをノックする音がした。

　お姉ちゃんだ！

　そう確信して「ハイ」と返事をし、ノロノロとドアを開けると、そこにはトランクスさんが立ってて、ビックリした！

　な、何でトランクスさんが……？！

　ドアノブを握る右手に力を込めながら

「は、はい……？」

　ドアの前に立つ、トランクスさんを見上げると

「あ、あの、コレ……。菜奈さんからです……」