スゥイート・オクトーバー②
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しかし、俺は菜奈さんのように落ち着くことが出来ず、持ち上げていたマグカップをすぐにローテーブルに置くと
「ちょっと、行って来ます……!」
ソファから立ち上がっていた。
「えっ?!」という驚く声に続いて
「ちょっと、トランクス君?!」
菜奈さんの慌てる声が聞こえたが、俺はその声を背中で聞きながら、玄関に向かっていた。
梨子さんの通う学校は、以前菜奈さんと買い物に行った時に教えてもらっていたので知っていた。
飛ぶことさえ出来れば秒で辿り着ける程の距離だが、もし誰かに見られでもしたら、この町……いや、梨子さんの傍にいられなくなる。
それは絶対に避けたくて、俺は逸る気持ちを抑えながら龍泉寺の門を出ると、梨子さんの通う学校へ徒歩で目指した。
家々が隣り合う狭い住宅地の中の道を通り抜け、広めの道路に出るとすぐに、まるで別世界のような、白く輝く建物が見えてきた。
歩く速度を上げ、見るからに真新しい建物を目指し進んでいると、行く手を阻むように、黒光りする重厚感のある柵状の門が現れた。
外部からの進入を防ぐ、閉ざされた門を前に躊躇したが、周りに人の気配がないことを確認すると、俺は門を飛び越え、校内へと進入した。
許可もなく、中に入ることに罪悪感がないわけではないが、いまは梨子さんのことが心配で、それどころじゃない。
それでも、進入が見つかって面倒なことになるのは避けたくて、人の気配を探りつつ進んでいると、前からゆったりとした足取りで歩いて来る、梨子さんの姿が目に留まった。
「ちょっと、行って来ます……!」
ソファから立ち上がっていた。
「えっ?!」という驚く声に続いて
「ちょっと、トランクス君?!」
菜奈さんの慌てる声が聞こえたが、俺はその声を背中で聞きながら、玄関に向かっていた。
梨子さんの通う学校は、以前菜奈さんと買い物に行った時に教えてもらっていたので知っていた。
飛ぶことさえ出来れば秒で辿り着ける程の距離だが、もし誰かに見られでもしたら、この町……いや、梨子さんの傍にいられなくなる。
それは絶対に避けたくて、俺は逸る気持ちを抑えながら龍泉寺の門を出ると、梨子さんの通う学校へ徒歩で目指した。
家々が隣り合う狭い住宅地の中の道を通り抜け、広めの道路に出るとすぐに、まるで別世界のような、白く輝く建物が見えてきた。
歩く速度を上げ、見るからに真新しい建物を目指し進んでいると、行く手を阻むように、黒光りする重厚感のある柵状の門が現れた。
外部からの進入を防ぐ、閉ざされた門を前に躊躇したが、周りに人の気配がないことを確認すると、俺は門を飛び越え、校内へと進入した。
許可もなく、中に入ることに罪悪感がないわけではないが、いまは梨子さんのことが心配で、それどころじゃない。
それでも、進入が見つかって面倒なことになるのは避けたくて、人の気配を探りつつ進んでいると、前からゆったりとした足取りで歩いて来る、梨子さんの姿が目に留まった。