十月にしては強い日差しが、トランクスさんの銀色にも薄い紫にも見える髪を、キラキラと照らしてた。

　桟橋を歩きながら、潮風にサラサラと髪を靡かせる姿は漫画の主人公みたいで

　ああ……やっぱりカッコイイな……。

　私は感嘆の溜息を漏らし見惚れてた。

　でも。

　その横顔に、未来へと帰って行ったトランクスさんを未だに重ねちゃってることを思うと、胸が痛んだ。

　いつになったら、この想いは消えるんだろ……。

　なかなか吹っ切ることが出来ない、もう一人のトランクスさんのことを想いつつ

　……トランクスさんはどうなんだろう？

　何事もなかったように、私の話しに優しく微笑み、相槌を打つ横顔を見上げ思った。

　トランクスさんは私のこと、もう何とも思ってないのかな……？

　聞きたくても聞けない疑問が浮かぶと、胸にスッと冷たい風が吹き込んできた。

　トランクスさんの想いに応えられなかったのは私で「寂しい」って思うなんて、自分勝手だと思う。

　なに自惚れてんの？

　とも思う。

　でも、私への「好き」っていう気持ちは、もうなくなっちゃったのかな……？

　そう思うと寂しくなった。

　そして、寂しいなって思えば思う程、切なくなって、胸の奥がギュッと苦しくなった。

　告白される前の、あの頃みたいな関係に戻りたいって望んでたのに

　私のこと、まだ好きでいてくれたらいいのにな……。

　なんていう浅ましい声が、心のどこかで囁いてる。

　その囁きが聞こえる度に、私の心は揺れて、自分の気持ちが分からなくなってきた。

　私、トランクスさんのこと、どう思ってるんだろ……？