小娘の考察か。

　そう言いたいところだが、こいつに「ポメ姫」とかいう「神」同等の力が宿っていることを思えば、それも有り得るかもしれない。

　そう思った。

「もしそうだとしたら、この地球に来たのは、おまえの持つ力と関係があるのかもしれんな」

　ワームホールに吸い込まれた俺たちが、何故、第六宇宙の地球に来てしまったのか……。

　この謎について、真剣に考えようとする俺たちとは対照的に、桟橋の先端では、トランクスと梨子が楽しそうに背中を揺らしている。

「やっぱり、ポメ姫の力なんですかねー。そうなら、とんでもない力持ってますよね、私」

　実感がまるでないらしく、真琴は他人事のように間延びした声でそう言ってから

「こっちに帰って来れたってことは、向こうの地球にも戻れるってことなんですかね？　もしかして、この地球に帰って来たことに何か意味があるとか？」

　真琴はぶつぶつと独り言を言い、首を傾げた。

　考えても、どうしてこの地球に来たかという答えは分からないまま、俺たちも桟橋の先端へと差し掛かっていた。

「どうってことない山だ」

　確かにゆったりと広がる裾野は綺麗だが、ただそれだけ。

　俺にはそう思えた。

「日本」という国を代表する山だと聞いていたが、こんな山なら俺たちの住む地球にもある。

　だが、この国に住むヤツ等には特別なようで

「いまの季節はまだ普通の山ですけど、もう少し寒くなると雪に覆われて綺麗なんですよ」

　自然の美しさなどに感動しそうにない真琴でさえ、目の前の山を誇らし気に見ている。