「楽しむだと？！　ふざけるな……！」

　トランクスのみならず、真琴の言葉に更に腹が立ち、拳を握り締めた。

　時の界王神に頼らずとも、帰る方法はあるはずだ！　諦めてたまるか……！

　奥歯を噛み思っていると、俺の心境を察したのか

「ま、帰りたい気持ちはよく分かりますよ。私もそうでしたから」

　真琴は思い出すように言うと、続けて

「でも、焦ってもどうしようもないです。ここは諦めて、この状況を満喫してください」

　諭すように言ってきた。

　その、体験者ぶった物言いがますます気に食わず

「満喫だと？！　何を悠長なことを言ってるやがる！　こうしてる間にも、カカロットの野郎がミラを倒してるかもしれんのだぞ！」

　またしても、カカロットに先を越された悔しさから、口調が強くなった。

　何故、いつもカカロットばかり……！

　強い敵と戦う機会を与えられない自分を恨んだ。

　すると

「面倒事が減ってよかったじゃないですか。今回は悟空さんに任せましょうよ」

　真琴は清々したように、空を見上げた。

　そんな真琴に

「任せるだと？！　そんなこと出来るか！」

　ミラの姿が脳裏に浮かび、より強い相手と戦いたいという、サイヤ人の本能が疼いた。　

　久し振りに現れた強敵を、みすみすカカロットの野郎に譲るなど出来るわけがない。

　真琴を睨んでいると

「ハァ……。サイヤ人てホント戦闘オタクだな」

　真琴は聞こえるように、わざとらしく呟いてから