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FF7BC

■夏だから

シュ、シュ、シュ。


任務先の宿に到着してすぐに、何やら念入りにスプレーを噴霧し始めた新人を、頬杖をついて眺めながら、声をかける。

「何やってんの、と」

シュ、シュ、と噴霧の手を休めず、金色の髪の新人が答える。

「消臭、除菌、除霊です」

新人の言葉を右から左へ流しそうになったものの、ちょっと待てよと考える。

「…なんて言った?」
「消臭、除菌、除霊です」

部屋に響く、シュ、シュという音。
消臭、除菌…え?

「最後おかしくないか?」
「え?」

噴霧の手を止めて、新人が振り返る。

「え?」

キョトンとした顔に、思わず素っ頓狂な声になった。
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