FF7BC
◼︎第一印象
「よろしくな、と」
変な人、と思った。
語尾が特徴的な喋り方、赤い髪、乱れた服装。
先輩に対してそんなこと思っちゃいけないけど、それが彼に対する私の第一印象。
今まであまり関わりのなかったタイプ。
とても優秀な人と聞いているけれど、うまくやっていけるか、正直不安を覚えた。
「神羅に裁きを!」
自分の不注意で起こってしまった緊急事態。
敵に囲まれ、まずいと思ったその時だった。
「よぅ、新人!
初日からえらい修羅場に巻き込まれてんな、と」
「レノさん!?別の任務では?」
赤い髪の、変な先輩が目の前に現れた。
「お前のサポートに変わった。気にすんな、と」
さりげないフォローの言葉が、今はちょっと痛い。
でも、感傷に浸っている暇はない。
先輩が来てくださったといっても敵の数の方が多いのだ。
「さっさと片付けちまうぞ、と!」
まずは任務遂行が最優先、と唇をキュッと引き締めた。
「よろしくお願いします」
皺一つない制服、しっかり閉じられた襟元に、結び目の形が整ったネクタイ。
軍事学校首席という言葉通りの、真面目そうなやつ。
それが、新人に対しての第一印象。
後輩の面倒を見るのなんて面倒だ。
しかも、俺みたいなのとは関わりがなかっただろう純粋培養の真面目ちゃんなんて、きっと面倒くさいことこの上ない。
「逃げろ、新人!こいつ、やばいぞ!」
格好をつけて追いつくから先に行けと言ったものの、やばい敵が出てきて苦戦を強いられていたところに、新人が戻って来てしまった。
任務初日で、こいつはなんて運がないんだと思った。
「私の目の前で…これ以上の卑劣な行為は許さない!」
真面目ちゃんは真面目ちゃんなんだな、と妙に感心した。
無我夢中だったけれど、なんとか難を逃れられた。
一体彼らは何者で、何が目的であんなことをしていたんだろう。
それにしても危なかったな、とどこか他人事のように分析をする自分が、なんだか変な感じだ。
と、上司からの指示をふと思い出し、先輩に伝える。
「そういえば、ツォンさんから本部に戻るよう、指示を受けていました」
「んなら、戻るぞ、と」
さっきまでど修羅場で自分の命が危なかったことを、この新人はきちんと理解しているのだろうか。
妙に冷静に上司からの指示を伝えられ、返事をしながらそんなことを思う。
熱くて真面目でちょっとあぶなっかしい、手がかかりそうな新人ちゃんだなと感じた。
面倒くさいことには変わりないが、ちょっとおもしろくなりそうだ。
『次の任務だ。お前達はジュノンへ向かえ。
社長の命が狙われている可能性がある。』
主任から連絡があった。
「社長が狙われているんですか!?」
「そうだ。ジュノンへ向かうぞ、と」
驚く私に、短く返事をして進路をタークス本部からジュノンへと変える先輩。
その背中を追いかけながら、この赤髪の特徴的な口調の先輩は、やっぱり変だけど、なんだか頼りになる気がしてしまう不思議な人だと感じた。
「よろしくな、と」
変な人、と思った。
語尾が特徴的な喋り方、赤い髪、乱れた服装。
先輩に対してそんなこと思っちゃいけないけど、それが彼に対する私の第一印象。
今まであまり関わりのなかったタイプ。
とても優秀な人と聞いているけれど、うまくやっていけるか、正直不安を覚えた。
「神羅に裁きを!」
自分の不注意で起こってしまった緊急事態。
敵に囲まれ、まずいと思ったその時だった。
「よぅ、新人!
初日からえらい修羅場に巻き込まれてんな、と」
「レノさん!?別の任務では?」
赤い髪の、変な先輩が目の前に現れた。
「お前のサポートに変わった。気にすんな、と」
さりげないフォローの言葉が、今はちょっと痛い。
でも、感傷に浸っている暇はない。
先輩が来てくださったといっても敵の数の方が多いのだ。
「さっさと片付けちまうぞ、と!」
まずは任務遂行が最優先、と唇をキュッと引き締めた。
「よろしくお願いします」
皺一つない制服、しっかり閉じられた襟元に、結び目の形が整ったネクタイ。
軍事学校首席という言葉通りの、真面目そうなやつ。
それが、新人に対しての第一印象。
後輩の面倒を見るのなんて面倒だ。
しかも、俺みたいなのとは関わりがなかっただろう純粋培養の真面目ちゃんなんて、きっと面倒くさいことこの上ない。
「逃げろ、新人!こいつ、やばいぞ!」
格好をつけて追いつくから先に行けと言ったものの、やばい敵が出てきて苦戦を強いられていたところに、新人が戻って来てしまった。
任務初日で、こいつはなんて運がないんだと思った。
「私の目の前で…これ以上の卑劣な行為は許さない!」
真面目ちゃんは真面目ちゃんなんだな、と妙に感心した。
無我夢中だったけれど、なんとか難を逃れられた。
一体彼らは何者で、何が目的であんなことをしていたんだろう。
それにしても危なかったな、とどこか他人事のように分析をする自分が、なんだか変な感じだ。
と、上司からの指示をふと思い出し、先輩に伝える。
「そういえば、ツォンさんから本部に戻るよう、指示を受けていました」
「んなら、戻るぞ、と」
さっきまでど修羅場で自分の命が危なかったことを、この新人はきちんと理解しているのだろうか。
妙に冷静に上司からの指示を伝えられ、返事をしながらそんなことを思う。
熱くて真面目でちょっとあぶなっかしい、手がかかりそうな新人ちゃんだなと感じた。
面倒くさいことには変わりないが、ちょっとおもしろくなりそうだ。
『次の任務だ。お前達はジュノンへ向かえ。
社長の命が狙われている可能性がある。』
主任から連絡があった。
「社長が狙われているんですか!?」
「そうだ。ジュノンへ向かうぞ、と」
驚く私に、短く返事をして進路をタークス本部からジュノンへと変える先輩。
その背中を追いかけながら、この赤髪の特徴的な口調の先輩は、やっぱり変だけど、なんだか頼りになる気がしてしまう不思議な人だと感じた。
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