再開と秋組公演
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「だ~から私はずっと綾奈に会いたかったんだよ~!」
「いづみお酒よっわ」
第8話
春夏秋組の全員が集合し、乾杯は今回の主演であり座長であった万里くんの音頭で打ち上げが始まった。それぞれソファでゆっくり食事していたり、立ったままおしゃべりしていたりと自由に過ごしていた。
私はと言えば手際のよすぎる伏見さんの調理を見ながらカウンターに肘をつきながらお酒を飲んでいた。彼は私も聞き覚えのないおしゃれな料理名なんかも出しながらリクエストを聞いてくれたり。今はアヒージョを所望したのでそれに取り掛かってくれてる。一緒に食べるバケットの焼けるいい匂いがしてきた。アヒージョが出来たら次はワインを飲もうかな。
「綾奈さんは結構飲むんだな。さっきから色んな酒も飲んでるし」
「弱くはないですかね~。ただ普通に酔いはしますよ。結構テンション上がっちゃうタイプなんです。それに伏見さんの料理がどれも美味しいからお酒も進んじゃう」
「ハハッ!そりゃよかった。綾奈さんのおにぎりも好評だな」
「斑鳩くんと頑張りましたからね~!さんかく~って言うだけあっておにぎり握るのも上手でした彼」
「三角はさんかくが大好きだからな。それより気になってたんだが、綾奈さん俺に敬語なんて使わなくていいぞ?年下の俺こそ使うべきだったよな」
「え?あ~なんか伏見さん落ち着いてるからつい。じゃあお言葉に甘えて」
「あぁ。あと名前で呼んでくれると嬉しい。せっかくだし」
手は動かしながら、でも私に視線もやりながら器用に話す伏見さん。というよりも確かに自然と敬語を使っていたなと気付く。落ち着いているのもそうだし、多分身長も高いからだ。それでも威圧的には感じさせないのが伏見さんの凄いところだと思う。
じゃあ臣くん、と少し照れながら名前を呼べば、うん。いいな、と笑ってくれた。なんだこの包容力は…。
出来たぞアヒージョ、とカウンターに置いてくれたそれはエビやらイカがたくさん入っていてとても美味しそう。じゃあ白ワインにしようかな、とボトルに手をやると自然とワイングラスに注いでくれる臣くん出来る人すぎる。
臣くんは?、と聞けば彼はビールが好きだからとまだ中身が残っている缶を揺らした。それで二人で小さく乾杯して焼きたてのバケットをアヒージョにつけていただく。文句なんて出るはずがない。美味しい!
「えへへ~綾奈なに食べてるの~?」
「あ、いづみ。…なんか出来上がってない?」
「む~!まだまだいけるし全然酔ってないよ!」
「臣くん、お水もらっていいかな?」
「だな。了解」
名前に反応してそちらに顔を向ければ少し顔を赤くしたいづみの姿。まだ打ち上げ始まってそんなに経ってないんだけど、そんなにハイペースで飲んだのか。それか疲れてるからアルコールが回りやすかったのか。…後者だろうな、きっと。
臣くんが用意してくれたお水をお水と思わずに飲むいづみに臣くんと二人で苦笑して、アヒージョを勧める。表情を明るくした彼女の様子にどうやら食欲がある程度には余裕があるのだと安心した。
「いづみ、今日は早めに休みなね。明日に響くよ」
「だ~から私はずっと綾奈に会いたかったんだよ~!」
「いづみお酒よっわ…。私も会いたかったってば」
「劇団を辞めたのは自分の意志だけど心残りは綾奈に会えなくなることだったんだから!」
「…次に行ったらいづみが辞めたって聞いてすごく驚いたのは私なんだけどなぁ」
「え、あ…報告しなかったのは、ごめん」
「ま!その件は私とのことで帳消し!今こうして話せてるんだから良くない?私にとっての親友はやっぱりいづみ。それじゃダメ?」
「~っ!ダメな訳ない!私だって大好き!!!」
なら良し!、と抱き着いてワンワン泣くいづみに背中を叩く。真澄くん睨まないで。でもこのポジションはまだあげないぞ。
いづみはここでは監督で、でも私の前ではただの立花いづみでいさせてあげたい。いつか女であるいづみが誰かの元にいくまではいづみにとっての一番は私が独占。それは逆も然り、なんて。
ほら涙ふいて、とティッシュで優しく目元を拭いてやる。目が合って微笑めば彼女はとびっきりの笑顔を向けてくれる。真澄くんが直視したら気絶しちゃうんじゃないかな。ふふ、と笑うと不思議そうに私を見ながらも彼女の眼はとろんとしてきた。どうやら泣いたせいで睡魔も襲ってきたらしい。ソファで横にさせてあげたいけど満席だからなぁと思案する。すると一部始終を見ていた臣くんが、じゃあ、と声をあげた。
「俺が監督を部屋まで運ぶよ。さすがに綾奈さんには無理だろ」
「あー…うん、そうだね。臣くんなら安心。悪いけどお願いしてもいいかな?」
「勿論」
「駄目。俺が監督を運ぶ」
「真澄くんはいづみを送るだけじゃ済まなさそうだからダメ。何もしないって約束できる?」
「…監督が可愛いのが悪い」
「じゃあダーメ」
3人で行くならいいよ、と言えばしぶしぶと言った様子で彼は頷いた。いづみは既に夢の中だ。じゃあ行ってくるな、と3人は談話室を出て行った。臣くんには煮込んでるビーフシチューの様子だけ見ておいてくれ、と頼まれたので私はそのままキッチンの中に入って滞在。いづみが早くにダウンしただけでまだ打ち上げは始まったばかりなのだ。食べ盛りの男子だらけなのだから料理は常に作っていないと追いつかない。ビーフシチューも楽しみだな、と鍋をかき混ぜながら考えていると、綾奈さん、と名前を呼ばれて顔をあげるとさっきまで私がいたカウンターには何かと気にかけてくれる彼の姿。
「あ?一人すか?監督ちゃんこっち来ただろ」
「来たんだけどね。疲れてた上にお酒も相まって限界きたみたいだから部屋に戻らせた。臣くんと真澄くんが送っていってくれたよ」
「どんだけ弱いんだよあの人…。で?綾奈さんはそれで今フリーってわけ?」
「うん、まぁ。臣くんにお鍋任されたし。ビーフシチューだよ、万里くん好き?」
「まぁ。臣の料理でまずいもんとかねぇし」
「ふふ、だね」
声をかけてくれた万里くんに、こっそり味見する?、と口元に人差し指を当てて笑えば怪訝そうな表情になった。え、そんな変なこと言ったつもりなかったんだけど。そんなに罪深いことなのか、つまみ食い。もしかしてMANKAIカンパニーではつまみ食いはご法度なのかもしれない、と思い至り苦笑をこぼした。
「ごめん、考えなしだったね」
「いや、いいけど。まさか誰にでもやってる訳じゃねぇよな」
「あー…家では結構しちゃってるかも」
「は?家?綾奈さん、まさか彼氏と同棲、」
「お母さんがみてない間につい。なんでつまみ食いってあんなに美味しいんだろうね」
「はぁ?」
「え?」
「…なんつー典型的な勘違いだよ…。つーことはあの仕草も素かよ…逆に笑えねー」
ハァ、とため息をついて腕に顔を伏せてしまった万里くんにどういうことだと頭上に疑問符が飛ぶ。つまみ食いはここではご法度ってことじゃないの?、と言えばまたもやため息を吐かれて否定された。幸せ逃げるよ万里くん。
もーいーわ、と苦笑する万里くんに訳が分からず、考えようにもほろ酔いの頭ではすぐに、まぁいいか、と諦めてしまった。
「あ」
「ん?」
「つまみ食い。すっから入れて」
「アハハ!オッケー!…はい、あーん」
「…それまで言ってくれんのかよ…」
「うわー!なにそれセッツァー!?綾奈チャンにあーんとか羨まし過ぎ!でも記念にパシャ―!」
スプーンで少しシチューを掬って常套句とともに万里くんの口に運んでやると若干照れる様子を見せた。意外と初心な反応を見せてくれるな、と笑うと偶々目に留まったのか三好くんが声をあげ、それと共に携帯のカメラ機能で激写。投稿完了~☆、ってそれはさすがに早すぎませんか三好さん。やばい、これは皇くんに引き続き命の危機かもしれない。
「一成、それあとで送れ」
「モチ!めっちゃいい感じで撮れてるよん!うわ!凄い勢いでええな増えてる!やばたん!!」
「…外歩くときは気をつけよ」
「だな。最近、一成のフォロワーに男増えたらしーし」
「へぇー!劇団に男性ファンが増えるのは嬉しいね。同性から好かれるって中々ないだけにいいことだと思う!」
「…」
「綾奈チャン…」
「え?」
万里くんはともかく、三好くんにまでそんな可哀想なものを見る目で見られるとは思わなかった。傷付きました。
20170727
「いづみお酒よっわ」
第8話
春夏秋組の全員が集合し、乾杯は今回の主演であり座長であった万里くんの音頭で打ち上げが始まった。それぞれソファでゆっくり食事していたり、立ったままおしゃべりしていたりと自由に過ごしていた。
私はと言えば手際のよすぎる伏見さんの調理を見ながらカウンターに肘をつきながらお酒を飲んでいた。彼は私も聞き覚えのないおしゃれな料理名なんかも出しながらリクエストを聞いてくれたり。今はアヒージョを所望したのでそれに取り掛かってくれてる。一緒に食べるバケットの焼けるいい匂いがしてきた。アヒージョが出来たら次はワインを飲もうかな。
「綾奈さんは結構飲むんだな。さっきから色んな酒も飲んでるし」
「弱くはないですかね~。ただ普通に酔いはしますよ。結構テンション上がっちゃうタイプなんです。それに伏見さんの料理がどれも美味しいからお酒も進んじゃう」
「ハハッ!そりゃよかった。綾奈さんのおにぎりも好評だな」
「斑鳩くんと頑張りましたからね~!さんかく~って言うだけあっておにぎり握るのも上手でした彼」
「三角はさんかくが大好きだからな。それより気になってたんだが、綾奈さん俺に敬語なんて使わなくていいぞ?年下の俺こそ使うべきだったよな」
「え?あ~なんか伏見さん落ち着いてるからつい。じゃあお言葉に甘えて」
「あぁ。あと名前で呼んでくれると嬉しい。せっかくだし」
手は動かしながら、でも私に視線もやりながら器用に話す伏見さん。というよりも確かに自然と敬語を使っていたなと気付く。落ち着いているのもそうだし、多分身長も高いからだ。それでも威圧的には感じさせないのが伏見さんの凄いところだと思う。
じゃあ臣くん、と少し照れながら名前を呼べば、うん。いいな、と笑ってくれた。なんだこの包容力は…。
出来たぞアヒージョ、とカウンターに置いてくれたそれはエビやらイカがたくさん入っていてとても美味しそう。じゃあ白ワインにしようかな、とボトルに手をやると自然とワイングラスに注いでくれる臣くん出来る人すぎる。
臣くんは?、と聞けば彼はビールが好きだからとまだ中身が残っている缶を揺らした。それで二人で小さく乾杯して焼きたてのバケットをアヒージョにつけていただく。文句なんて出るはずがない。美味しい!
「えへへ~綾奈なに食べてるの~?」
「あ、いづみ。…なんか出来上がってない?」
「む~!まだまだいけるし全然酔ってないよ!」
「臣くん、お水もらっていいかな?」
「だな。了解」
名前に反応してそちらに顔を向ければ少し顔を赤くしたいづみの姿。まだ打ち上げ始まってそんなに経ってないんだけど、そんなにハイペースで飲んだのか。それか疲れてるからアルコールが回りやすかったのか。…後者だろうな、きっと。
臣くんが用意してくれたお水をお水と思わずに飲むいづみに臣くんと二人で苦笑して、アヒージョを勧める。表情を明るくした彼女の様子にどうやら食欲がある程度には余裕があるのだと安心した。
「いづみ、今日は早めに休みなね。明日に響くよ」
「だ~から私はずっと綾奈に会いたかったんだよ~!」
「いづみお酒よっわ…。私も会いたかったってば」
「劇団を辞めたのは自分の意志だけど心残りは綾奈に会えなくなることだったんだから!」
「…次に行ったらいづみが辞めたって聞いてすごく驚いたのは私なんだけどなぁ」
「え、あ…報告しなかったのは、ごめん」
「ま!その件は私とのことで帳消し!今こうして話せてるんだから良くない?私にとっての親友はやっぱりいづみ。それじゃダメ?」
「~っ!ダメな訳ない!私だって大好き!!!」
なら良し!、と抱き着いてワンワン泣くいづみに背中を叩く。真澄くん睨まないで。でもこのポジションはまだあげないぞ。
いづみはここでは監督で、でも私の前ではただの立花いづみでいさせてあげたい。いつか女であるいづみが誰かの元にいくまではいづみにとっての一番は私が独占。それは逆も然り、なんて。
ほら涙ふいて、とティッシュで優しく目元を拭いてやる。目が合って微笑めば彼女はとびっきりの笑顔を向けてくれる。真澄くんが直視したら気絶しちゃうんじゃないかな。ふふ、と笑うと不思議そうに私を見ながらも彼女の眼はとろんとしてきた。どうやら泣いたせいで睡魔も襲ってきたらしい。ソファで横にさせてあげたいけど満席だからなぁと思案する。すると一部始終を見ていた臣くんが、じゃあ、と声をあげた。
「俺が監督を部屋まで運ぶよ。さすがに綾奈さんには無理だろ」
「あー…うん、そうだね。臣くんなら安心。悪いけどお願いしてもいいかな?」
「勿論」
「駄目。俺が監督を運ぶ」
「真澄くんはいづみを送るだけじゃ済まなさそうだからダメ。何もしないって約束できる?」
「…監督が可愛いのが悪い」
「じゃあダーメ」
3人で行くならいいよ、と言えばしぶしぶと言った様子で彼は頷いた。いづみは既に夢の中だ。じゃあ行ってくるな、と3人は談話室を出て行った。臣くんには煮込んでるビーフシチューの様子だけ見ておいてくれ、と頼まれたので私はそのままキッチンの中に入って滞在。いづみが早くにダウンしただけでまだ打ち上げは始まったばかりなのだ。食べ盛りの男子だらけなのだから料理は常に作っていないと追いつかない。ビーフシチューも楽しみだな、と鍋をかき混ぜながら考えていると、綾奈さん、と名前を呼ばれて顔をあげるとさっきまで私がいたカウンターには何かと気にかけてくれる彼の姿。
「あ?一人すか?監督ちゃんこっち来ただろ」
「来たんだけどね。疲れてた上にお酒も相まって限界きたみたいだから部屋に戻らせた。臣くんと真澄くんが送っていってくれたよ」
「どんだけ弱いんだよあの人…。で?綾奈さんはそれで今フリーってわけ?」
「うん、まぁ。臣くんにお鍋任されたし。ビーフシチューだよ、万里くん好き?」
「まぁ。臣の料理でまずいもんとかねぇし」
「ふふ、だね」
声をかけてくれた万里くんに、こっそり味見する?、と口元に人差し指を当てて笑えば怪訝そうな表情になった。え、そんな変なこと言ったつもりなかったんだけど。そんなに罪深いことなのか、つまみ食い。もしかしてMANKAIカンパニーではつまみ食いはご法度なのかもしれない、と思い至り苦笑をこぼした。
「ごめん、考えなしだったね」
「いや、いいけど。まさか誰にでもやってる訳じゃねぇよな」
「あー…家では結構しちゃってるかも」
「は?家?綾奈さん、まさか彼氏と同棲、」
「お母さんがみてない間につい。なんでつまみ食いってあんなに美味しいんだろうね」
「はぁ?」
「え?」
「…なんつー典型的な勘違いだよ…。つーことはあの仕草も素かよ…逆に笑えねー」
ハァ、とため息をついて腕に顔を伏せてしまった万里くんにどういうことだと頭上に疑問符が飛ぶ。つまみ食いはここではご法度ってことじゃないの?、と言えばまたもやため息を吐かれて否定された。幸せ逃げるよ万里くん。
もーいーわ、と苦笑する万里くんに訳が分からず、考えようにもほろ酔いの頭ではすぐに、まぁいいか、と諦めてしまった。
「あ」
「ん?」
「つまみ食い。すっから入れて」
「アハハ!オッケー!…はい、あーん」
「…それまで言ってくれんのかよ…」
「うわー!なにそれセッツァー!?綾奈チャンにあーんとか羨まし過ぎ!でも記念にパシャ―!」
スプーンで少しシチューを掬って常套句とともに万里くんの口に運んでやると若干照れる様子を見せた。意外と初心な反応を見せてくれるな、と笑うと偶々目に留まったのか三好くんが声をあげ、それと共に携帯のカメラ機能で激写。投稿完了~☆、ってそれはさすがに早すぎませんか三好さん。やばい、これは皇くんに引き続き命の危機かもしれない。
「一成、それあとで送れ」
「モチ!めっちゃいい感じで撮れてるよん!うわ!凄い勢いでええな増えてる!やばたん!!」
「…外歩くときは気をつけよ」
「だな。最近、一成のフォロワーに男増えたらしーし」
「へぇー!劇団に男性ファンが増えるのは嬉しいね。同性から好かれるって中々ないだけにいいことだと思う!」
「…」
「綾奈チャン…」
「え?」
万里くんはともかく、三好くんにまでそんな可哀想なものを見る目で見られるとは思わなかった。傷付きました。
20170727
